球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

広がる野球賭博…選手家族の賭けどうなる?

[ 2018年6月10日 05:30 ]

 最高裁が、スポーツを対象とする賭けの是非はそれぞれ州法で決めるべき、と判決して14日で1カ月。デラウェア州が5日に解禁に踏み切った。州議会でスポーツ賭博ゴーと決まると州知事はこの日のフィリーズ対カブス戦に10ドル(約1100円)賭けたそうだ。全米で下から2番目の小さな州は米国内のタックスヘイブン(租税回避地)。法人税を安くし節税目的で本社だけを置く大企業を集め、州財政を補う。さらに増収を目指しスポーツ賭博に準備万端だったのだろう。ただし、賭けだけで大リーグに関わる州ではない。試合用ボールの縫い糸の蝋(ろう)を砂や泥をまぶして落とすのは審判の仕事だが、デラウェア川の川底の泥の使用が1930年代からの決まりなのだ。

 「大リーグの在り方を変える判決」と大見出しが躍った割に、目についた続報はこの程度。大リーグ機構の声はどうなのか。ロブ・マンフレッド・コミッショナーが前向きなのは知られていたが、野球部門担当のジョー・トーリ専務理事は「ファンは野球を信用している。私はその信用を揺るがせるような状況が起こる動きは嫌いだ。しかし、雪の球が丘を転がり落ちるように野球への賭けが広がるのが現実」と渋い顔。経営面担当の幹部は解禁州増加を前提に収入増をもくろむ。「野球への賭け金の0・25%程度の“公正さを保つための経費”を求めたい」という。「合法的な賭けの対象となれば、賭けのデータのモニターや事が起こった場合の調査員など、新たに必要な人員を雇うための経費が発生するのだから」。

 選手会のトニー・クラーク専務理事はメディアにメールで答えている。「MLBの規則は、選手(代理人も)に野球以外の合法な賭け事をすることを認めている。野球賭博合法化で、この歴史的な規則を変えるのかどうか。選手の家族、近親者、友人の野球への賭けはどうする…」。労使協約の改定交渉の大きな課題が浮かんできた。 (野次馬)

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