広島・マクブルーム流れ変えた来日1号 佐々岡監督「球場全体がいい雰囲気に」 大技小技で9点圧倒

[ 2022年4月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9ー2巨人 ( 2022年4月7日    マツダ )

1回2死一塁、マクブルームは左中間に来日初本塁打を放つ(撮影・奥 調)
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 広島は7日の巨人戦で10安打9得点と打線が機能し、カード勝ち越しを決めた。初回にライアン・マクブルーム内野手(29)が同点2ランとなる来日1号を放って口火を切った。チーム本塁打がリーグワーストの12戦3発と長打力を欠く中でも、新外国人の一発が下降線に入りつつあった打線を活性化。今季の象徴である「つなぎの攻撃」で追加点も奪うなど大技小技を織り交ぜて、首位・巨人に1ゲーム差に迫った。

 今季の打線の合言葉は「泥くさく後ろにつなぐこと」。とはいえ長打は、やはり魅力的である。佐々岡監督が「一発で同点に追いついて、球場全体がいい雰囲気となって戦えた」と振り返ったように、たった一発で打線の空気は確実に変わった。

 いきなり2点を先制され、不穏な空気が漂っていた初回2死一塁。マクブルームが1ボールから堀田の真ん中直球を完璧に捉え、左中間席上段に同点2ランを着弾させた。出場9試合目32打席目での来日初本塁打。「高めにきたところをしっかりと捉えられた。点を取られたあと、すぐ取り返すことができて良かった」。来日1号よりもチームの流れを変えられたことを喜んだ。

 チームは開幕12試合で3本塁打のみ。昨季38発を放った鈴木の抜けた穴は、新外国人一人で埋められるほど小さくはない。他のナインは、大振りすることなくコツコツと得点を積み重ねようとした。

 同点の2回無死一、三塁。上本は内野が定位置に下がっているのを確認していた。結果は遊撃ゴロ併殺打ながら、その間に勝ち越し点を奪った。その上本をベンチ全員が大きな拍手で出迎えたのは、つなぐ意識がナインに共有されている証だ。4―2の7回には菊池涼がセーフティースクイズ(記録は犠打野選)を成功させ、続く小園の犠打は適時失策を呼び、小技でも着実に得点へとつながった。

 マクブルームは、7回にビエイラの151キロ直球を頭部に受けて途中交代。試合途中に広島市内の病院に向かい、頭部打撲と診断された。8日からの阪神3連戦(甲子園)への同行は、当日朝の状態を見て判断することとなった。診断結果が出る前に報道陣に対応した指揮官は力強く言った。「とにかく一戦一戦、いまの野球をやっていくしかない」。6連勝で乗り込んできた巨人にカード勝ち越し。監督には助っ人の一発だけでなく、つなぎの攻撃への手応えがあった。(河合 洋介)

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