新庄ビッグボスと“かぶる”も…温かくチーム支えるソフトバンク・村上コーチ

[ 2022年4月8日 07:35 ]

ソフトバンク・村上隆行打撃コーチ
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 日本ハムとの開幕カードの試合前練習後。新任コーチのぼやきが秀逸だった。ソフトバンク・村上隆行打撃コーチ(56)だ。敵将は、同じく新任で6歳下の新庄剛志監督(50)。出身は同じ福岡県の大牟田市と福岡市。同郷だけに過去の交流について聞くと、スイッチが入った。

 「まあね。福岡出身で、ショートから始まりーの、センターにコンバートされーの、背番号もごー(5)の。かぶるんですよ。キャラが」

 村上コーチが近鉄に在籍したのは84年~00年で、ビッグボスが阪神でプレーしたのは、ほぼ同時期の90~00年。関西で対戦するオープン戦が、当時は苦痛だったという。

 「関西だとタイガースは人気なんですよ。偽物のことを(方言で)“ばったもん”と言うんですが、ファンから“おーい、ばったもーん”と叫ばれるんです。“俺の方が先輩じゃ、コラ”と言ってましたよ」と苦笑した。

 シャッターポーズでも“かぶり”が生じたという。56歳には見えない若さの村上コーチ。田原俊彦ばりのステップを売りに、歌って踊れる一面も持っている。現役時代の写真撮影時は“アロハポーズの村上”として定着を狙っていた。それが、今は…。

 「(新庄)監督、あれやってるじゃないですか。(自分は)ずっと写真をあれで写っていたんですよ。監督がやったんでウワー!と思って。これまた(ばったもんと)言われるわ、と。そういう意味で似てんのかな」

 親指を小指を立てるハンドサインは「ビッグボスポーズ」として浸透してしまっている。元祖のつもりが、完全に持っていかれてしまった。

 ただ、ビッグボスには感謝もしている。「まあ、野球界を盛り上げてくれているのでね。明るくいくしかない。悪いところを言っても仕方ない。前だけ向いて明るくね」。常にポジティブに選手と向き合い、チームは開幕8連勝。温かく支える姿も、ビッグボスと似通っている。

 村上コーチの大牟田市内の実家は鮮魚店。「活魚のような選手はいるか?」との問いに対する返しにセンスが光る。「まだ放流中」「まだ釣るとだめ」などといった感じだ。本紙の人気コーナー「隠しマイク」でも、村上コーチの感性は他とかぶることがない独自路線。ぜひ、ご注目を。(記者コラム・井上 満夫)

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2022年4月8日のニュース