元オリックス・藤井康雄氏 西武・栗山はギータともイチローとも違う巧みな打撃術持つ

[ 2021年9月5日 05:30 ]

西武・栗山 通算2000安打達成

<楽・西>9回1死、通算2000本安打を達成する栗山(撮影・白鳥 佳樹)
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 西武・栗山の実家はグリーンスタジアム神戸(現ほっともっと)から徒歩10分。少年時代に足しげく通い、イチローがまだ「鈴木一朗」だった頃のサインも手に入れるほどのオリックスファンだった。だが栗山少年は、藤井康雄氏(59=現関西創価高コーチ)のフォームをよくまねた。栗山の打撃フォームの原点となる人物だ。

 通算1207安打、282本塁打、代打満塁本塁打通算4本、シーズン3本のプロ野球記録保持者でもある。引退後、オリックス、ソフトバンクで打撃コーチを歴任。藤井氏の息子も野球部ではないが育英(兵庫)に進み栗山の後輩となり、球場では栗山とよく言葉を交わしたという。

 打撃理論は「本塁打を狙うのではなく、いかに自分の形でバッティングができるか」で「低く速い打球を意識しつつ、角度がつけばベスト」という栗山とマッチする。同氏は「柳田は足を大きく上げてしっかり踏み込んで打ちにいくが、栗山は移動が少なく頭が動かない。小さなステップからコンパクトにバットが出ている」と分析。「ボールを呼び込んで軸足を中心にボールをつかまえるのか、イチローみたいに前でさばくのか。“体を前に出されるとクリの場合はダメだよな”と話したことがある」と明かした。

 四球の多さ、勝負強さも2人の共通点。「僕もそうでしたが、経験が勝負強さにつながっていると思う」と藤井氏。「いろんなことを試しながらやる研究熱心さがある。その中でつくり上げてきたのが今のフォーム。僕なんかよりも全然、上。2000本打つというのはバッターとして最高の証。これからも陰ながら応援しています」と祝福した。

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