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広島・高橋昂 113日ぶり復活で3勝目 成長の裏にあった今年にかける覚悟の“別れ”

[ 2021年9月5日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-2ヤクルト ( 2021年9月4日    東京D )

<ヤ・広⑯>3勝目を挙げた広島・高橋昂(撮影・篠原岳夫)
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 広島・高橋昂也投手(22)が4日のヤクルト戦に先発し6回無失点の好投で、5月14日のDeNA戦以来、113日ぶりの3勝目を飾った。7月上旬の降格から約2カ月ぶりの1軍登板で結果を残し、流動的だった先発6番手がようやく固まった。打線は鈴木誠也外野手(27)の2戦連発となる決勝ソロなど3本塁打で援護した。

 7月8日以来、約2カ月ぶりの1軍登板でも、いつも通りの鉄仮面だった。初回に3安打を浴びながら無失点。周りが冷や汗を流す展開で「もともと粘り強く投げるタイプなので予想通りというか…」と高橋昂が誰よりも落ち着いていた。

 3回までに計5安打されながら無失点でしのぐと、4回以降は無安打と本調子を取り戻した。今季最長に並ぶ6回を投げ5奪三振、無失点。首脳陣の冷や汗もすっかり乾くほどの尻上がりの投球で、113日ぶりの白星をつかんだ。

 「序盤に走者を出す中でも粘り強く投げられた。あまり緊張しなかった。いままでやってきたメンタルの中でいつも通りに投げようと考えていました」

 前半戦で2勝を挙げながら7月上旬に降格。小林2軍投手コーチからは「全力で投げて自己満足するだけではいけない。2軍でしっかりと思ったところに投げられるようになれば、もっと勝てるよ」と伝えられた。この日の与四球は一つ。直球の球速は140キロ前後と低調ながら、制球重視で失点を防いだ。

 今年にかける思いが違う。19年2月に左肘のトミー・ジョン手術を受けた。これまで大きな故障歴もなく、初めて経験する長期間のノースロー。喪失感を埋めようと寮内でハムスターを飼うことにした。白毛であることと自身の愛称「コヤマル」から「シロマル」と名付けてかわいがった。実戦復帰は昨年9月。長引いたリハビリ期間は、ペットに癒やされながら乗り越えた。

 完全復活を期す今季を前にして、今度は別れを決断。年末年始に帰省した際に、埼玉の実家に預けた。「ちゃんと室温は20度以上を保ってね。ストレス与えないでよ」と飼育方法は両親に伝えた。これから必要なのは癒やしではないという覚悟の表れ。前半戦は先発ローテーションを死守できなかったが、後半戦初登板で先発不足に悩むチームを救った。

 「これから投げる試合は全部勝つつもりで頑張りたい」。もうローテーションを手放すつもりはない。(河合 洋介)

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