三重・上山 公式戦初完封で笑顔満開! 14年夏、父と聞いた大声援を夢見て入学、2年生エースに成長

[ 2021年8月21日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権大会 2回戦   三重2-0樟南 ( 2021年8月20日    甲子園 )

<樟南・三重>8回1死、樟南・下地の一ゴロを尻もちをついてさばいた三重・池田(左)に感謝する上山(撮影・坂田 高浩)
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 7年前の夏、憧れを抱いたチームを自らの右腕で再び、輝かせた。三重の2年生エース上山颯太が公式戦初完封。樟南の好左腕・西田恒河に投げ勝った。

 「夢の舞台で楽しむことを意識していました。楽しんで試合ができたので、完封できたと思います」

 初回は「緊張していた」というが、先頭打者を空振り三振に仕留めてガッツポーズすると、気分も乗った。夏の三重大会開幕の1週間前に「落ちる球が欲しい」とキャッチボールをしている中で習得したスプリットと、得意のカットボールを駆使。9回を除き毎回走者を許したが、被安打7はすべて単打が示すように丁寧に低めに集め続けた。

 前回出場し準優勝した14年夏、同校OBの父・善也さんに連れられ大阪桐蔭との決勝戦をアルプススタンドから観戦。3―4で惜敗したが、地元チームの大躍進に「あの応援を自分もされたい」と小4だった上山の心に強く残った。コロナ禍の中で大応援団はいないが、打ち取るたびに注がれる応援は心地よかった。

 昨秋は19で今春9。そして今夏はエースナンバー「1」をつかんだ。伸び盛りの143キロ右腕。「わくわくして実力以上のものが出た」。快勝に笑みをこらえきれなかった。(北野 将市)

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2021年8月21日のニュース