広島 0―4から今季最大逆転劇!!6回、菊池涼8号から一気に5点 佐々岡監督「いい点の取り方」

[ 2021年8月21日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-4ヤクルト ( 2021年8月20日    マツダ )

<広・ヤ(13)>6回無死、左越えに本塁打を放った菊池涼(撮影・成瀬 徹)
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 広島は20日のヤクルト戦で4点劣勢の6回に9人攻撃で5点を奪い、今季最大の逆転劇を演じた。先頭の菊池涼介内野手(31)の8号ソロを反撃の合図に代打の松山竜平外野手(35)が決勝の勝ち越し犠飛を放った。9回は栗林良吏投手(25)が3人で締め、球団新人では2003年の永川勝浩(現投手コーチ)以来となる20セーブに到達した。

 6回に5安打に敵失も絡んで5点を奪い、生まれた今季最大の逆転劇。佐々岡監督が「先制されて4点劣勢だった中で、菊池の一発で試合が動いた」と勝因の一つに挙げたように、重苦しかった雰囲気が一発で劇的に変わった。

 ヤクルト先発の田口に2安打に抑えられ、迎えた0―4の6回だった。先頭の菊池涼が2ストライクから真ん中付近に入ったスライダーを強振した一撃は左翼席上段に着弾する8号ソロ。「まず1点を返すことができてよかった」。菊池涼にとっては、後半戦初本塁打だった。

 この一発でナインが顔を上げた。続く代打の中村奨は、打ち損じの捕手へのゴロを全力疾走で内野安打に変えた。野間の左前打で無死一、二塁とし長野の遊撃へのゴロは適時失策となる幸運に恵まれた。小園と鈴木誠が2者連続適時打でたたみかけて同点。5番坂倉の犠打で1死二、三塁となり代打・松山が右犠飛を放ち勝ち越しの5点目を奪った。「絶対に1点が欲しかったので前に飛ばすことだけを考えていた。当たりは良くなかったけど最高の結果」。指揮官も「つないでつないでのビッグイニング。相手のミスにもつけ込んで、いい点の取り方だった」とたたえた。

 口火の一発を放った菊池涼は、苦しい戦いが続いていた。東京五輪では正二塁手として金メダル獲得に貢献。極限の緊張感から来る疲労を回復する間もなくリーグ戦が再開した。後半戦はこの日を含め7試合で23打数3安打、打率・130。2番でスタートした打順は19日から8番に下がったが、しっかりと上位に刺激を与えた。

 16年からのリーグ3連覇時は「逆転のカープ」と呼ばれた。しかし、今季の逆転勝利数はリーグ4位の15度。逆転への雰囲気が高まれば、まだまだ5位からの逆襲も十分に可能だ。(河合 洋介)

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