【市川いずみの届け夏エール】次こそ三重・下田選手が自慢の快足で聖地駆け回る!

[ 2021年8月21日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権大会 2回戦   三重2-0樟南 ( 2021年8月20日    甲子園 )

<樟南・三重>2回、一塁コーチャーを務め、四球で出塁した三重・服部(2番)に指示を出す下田(右奥)(撮影・坂田 高浩)
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 樟南戦で一塁コーチャーを務めた三重の下田晃舗君は、出番こそありませんでしたが、聖地で改めて野球の楽しさを味わいました。

 中学3年時にドラゴンズカップで最優秀投手賞を受賞し「自信満々で」進学。入学直後の遠征にも同行し順調なスタートを切りましたが、6月に「今までにない痛み」に襲われました。右肩の関節唇損傷。復帰まで1年を要しました。

 「思うようなピッチャーに戻れない」。けが前のいい投球をイメージしても体が思うように動かず「気持ちと体がバラバラ」で、投手であり続けることをつらいと思うようになっていました。サイドスローにも挑戦し135キロの最速は125キロに。それ以上に苦しかったのは「自信のあった制球が戻ってこなかった」ことでした。

 転機は今年5月、ベースランニングのタイム走でした。中学時代に三段跳びで全国10位となった脚力の持ち主は、チームトップのタイムを出し「足が武器になるかも」と野手としてリスタート。三重大会の初戦では中堅手で初先発し6安打5打点2盗塁。サイクル安打も達成し「野球って楽しかったんだ」と忘れかけていたものを思い出しました。この日は声で盛り上げましたが、次戦は自慢の足で聖地を駆け回ります。

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2021年8月21日のニュース