浦和学院・森士監督最後の夏 甲子園のベンチ中央で繰り返したジェスチャー

[ 2021年8月21日 16:49 ]

第103回全国高校野球選手権2回戦   日大山形4―3浦和学院 ( 2021年8月21日    甲子園 )

<日大山形・浦和学院>3回、ナインに指示を出す浦和学院・森監督(撮影・坂田 高浩)
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 しんがりでの登場となった浦和学院は、日大山形に1点差で敗れた。今夏限りで退任を表明していた森士(おさむ)監督は、30年の監督生活を終え「甲子園で1勝する厳しさを、思い知らされた試合だった。(最後の夏は)私うんぬんではなくて3年生最後の大会。高校生活、目一杯やりきってくれた。次の世界で、自分の人生につなげてほしい。最後に(甲子園に)連れて来てくれて、選手には感謝の一言しかありません」とナインに感謝した。

 監督として、甲子園には春夏合わせて22度出場。ベンチ中央で指揮を執り、選手には大きなジェスチャーで指示を送り続けた。
 監督自身が、ピョンピョンと跳ねる。これは力んでいる選手に対し、リラックスさせるサインだった。この日の最終回、このジェスチャーが出た。

 ある試合では、リードして迎えた9回の守備で、右手で2本の指を立て、左手は5本。「7」を選手に示したことがあった。これは、勝ち急ぐことを防ぐため「まだ試合は7回。それくらいの気持ちで守りなさい」というサインだった。

 この日は甲子園で49試合目の指揮。投手がストライクを取る度、アウトを取る度に、頭の上で大きな丸をつくった。
 「思い切ったプレーは随所にあったので後悔ははないと思います」。森監督は、最後の会見で選手をねぎらった。練習中には見せた個のないような優しい顔つきだった。(川島 毅洋)

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2021年8月21日のニュース