巨人移籍の中田 あるぞ21日新天地でスタメンデビュー 再起へ「野球人として、人として前に」

[ 2021年8月21日 05:30 ]

入団会見で深々と頭を下げる中田(撮影・森沢 裕)
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 長距離砲らしい、高い放物線を描く打球を連発した。日本ハムから無償トレードで巨人に移籍した中田が、東京ドームでの試合前練習に参加。通算261本塁打を誇る右のスラッガーはフリー打撃で4番の岡本和と競演し、41スイングで8本の柵越えを放った。

 この日の午前中には都内の球団事務所で入団会見を行い、元同僚選手への暴力行為を謝罪。「(自身に暴力を振るわれた)本人もそうですし、ファンの皆さんも裏切ってしまったことに今は凄く後悔があり、本当に反省しています。すみませんでした」と神妙な面持ちで頭を下げた。日本ハム・吉村浩GMの前で涙を流して謝罪し「野球をやめる覚悟はある」と話していた。金髪から黒髪に染め、ひげもそり、濃紺のスーツに身を包んだ。

 巨人から救いの手を差し伸べられ、5度も「一から」という言葉を口にした。今季は打率・193、4本塁打、13打点。再起に向け「期待を絶対に裏切ってはいけない。一から自分を見つめ直して野球人として、人として前に進んでいきたい」と決意を述べた。

 プロ入りから14年間過ごした古巣・日本ハムへの思いも口にした。「いろんなことを学んだし、凄く恵まれていた。この14年間は決して忘れることはない」。移籍に際し、原監督に直接電話をかけた栗山監督についても「自分のことを考えてくれて、本当にありがたかった」と感謝した。

 練習には日本ハム時代の同僚・田中豊の背番号59の練習着を借りてグラウンド入り。途中から阿部2軍監督が現役時代につけた背番号10の練習着がスタッフから届けられた。一塁でのノックでも軽快な動きを見せ、原監督は「水を得た魚のごとく、コンディションも良く映りました」と評価し、きょう21日に出場選手登録される。

 一塁を争う中島はこの日のDeNA戦で2安打を放った。試合後の指揮官は「ナカジ(中島)はちゃんと役割を知っている人だし。翔はまあ、新鮮さの中でね」と競争を期待。「予告先発、投手だったら言ってもいいけど」と明言はしなかったが、先発で移籍デビューする可能性は高い。(田中 健人)

 ◇中田 翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日生まれ、広島県出身の32歳。大阪桐蔭では甲子園に3度出場し、高校通算87本塁打。07年に高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。打点王3度、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞4度獲得。13、17年WBC日本代表。1メートル84、106キロ。右投げ右打ち。今季年俸は3億4000万円。

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