原巨人が掲げる「わっしょいベースボール」のルーツはいつ

[ 2021年8月21日 14:06 ]

坂本(中央)の掛け声で「わっしょい!わっしょい!」と勝利を喜ぶ巨人ナイン (撮影・森沢裕)
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 祭りは盛り上がる。原監督という、みこしを担ぐ巨人も盛り上がる。後半戦から「わっしょいベースボール」を掲げ、本塁打を打ったときに選手がみこしを担ぐ新パフォーマンスも生まれた。リーグ3連覇へ、原監督も「祭り、みこしは楽しいもの。ジャイアンツという、みこしを前に進める」と先導する。

 巨人OB、何人かに聞いてみた。過去にも同じようなパフォーマンスがあったのか。1980年代、王貞治政権時代にあったという。得点が入ると、所憲佐サブマネジャーが、かけ声とともに両手に持ったボールでプラスチックのイスを叩き、そのリズムに合わせて選手が手拍子する。

 「わっしょい!」という、掛け声が始まったのは王政権後、藤田元司第2次政権が始まった1989年。音頭を取ったのは、84年に慶大からドラフト1位で入団し、盛り上げ役を務めた上田和明氏(現ジャイアンツアカデミー副校長)だった。

 「“わっしょい”で盛り上がるのは、このとき以来じゃないですかね。当時は得点が入るたびに、僕の“せーの!”の合図で、みんなが“わっしょい、わっしょい!”と言うんです。当時は手拍子でやりましたね。(最後に)“ハイ、ハイ!”と言ってから、右手を上げて、左手を上げるんです」

 当時の主砲は原監督だった。「わっしょい!」の掛け声で勢いに乗り、2年ぶりのリーグ優勝。8年ぶりの日本一を奪回し、翌90年もリーグ連覇した。上田氏は「今みたいな、みこしを担ぐパフォーマンスとは違いますけどね」と苦笑しつつ、懐かしそうだった。

 巨人は20日、同僚への暴力行為で出場停止処分を受けていた日本ハムの中田を無償トレードで獲得した。巨人には1学年上の坂本ら実力者が多く、日本ハム時代のような「お山の大将」にはなれない。何よりも、原監督が目を光らせている。中田も「更正」して「わっしょいベースボール」に加わればいい。(記者コラム・飯塚 荒太)

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2021年8月21日のニュース