大谷初体験!「確率0.8%」2―10から8点差ミラクル大逆転 40号から一夜 2冠射程 打点も1差

[ 2021年8月21日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス13-10タイガース ( 2021年8月19日    デトロイト )

<タイガース・エンゼルス>タイガースに逆転勝ちしマドン監督(左)とハイタッチする大谷(右、撮影・沢田 明徳)
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 40号&8勝の一夜明けに、ミラクル逆転劇を呼んだ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が19日(日本時間20日)、タイガース戦で2安打2四球と4度出塁し、2得点1打点。今季の大リーグで最大タイ、球団史上タイ記録となる8点差の逆転勝利に貢献した。8回に犠飛を放ち、打点王争いでもトップに1差(3位タイ)と肉薄。本塁打王との2冠を射程に捉えた。

 敵地のファンにとっての歴史的屈辱を前にしても、背番号17は拍手と歓声で迎えられた。8回だ。スタッシの2ランで11―10と逆転し、なお1死三塁。大谷は8球目のスライダーをすくい上げ、試合の流れを決定づける中犠飛とした。

 5回終了時で2―10。だが、ジョー・マドン監督は「ダッグアウトの誰も消沈していなかった」と振り返った。直後の6回、打者10人の猛攻で一挙6点。大谷は1死一塁から投手と一塁手の間へしぶとく転がす内野安打を放ち、4点目の生還。7回にも1死から四球で出塁し、9点目のホームを踏んだ。

 8点差の逆転勝利は史上2度目の球団記録。大リーグで8点差以上は今季242試合目で、逆転勝ちは7月8日ナショナルズ戦でのパドレス以来2試合目という「確率0・8%」のミラクル白星だ。チームは3連勝で貯金1とし「素晴らしい。打線の上から下まで、みんなが貢献した」と指揮官。1番で打線を引っ張った大谷にとっても、日米通じ初体験の逆転劇となった。

 大谷が40号と8勝目をマークした一戦から約15時間30分後のデーゲーム。マドン監督は前夜の試合後に携帯電話のメールで水原通訳を通じ、意思を確認。「休ませる方向で準備していた」ものの、大谷が出場を志願。3、4回にも右前打、四球で出塁した。今季112安打は19年のメジャー自己最多(110)を更新した。

 8回の中犠飛で88打点目。リーグ打点1位のディバース(レッドソックス)、アブレイユ(ホワイトソックス)に1差に迫った。本塁打王争いは2位のゲレロ(ブルージェイズ)に5差をつけ独走。打撃2冠は目の前だ。

 前夜には指揮官に「3冠王以外、他の全てのタイトルの候補になる」とまで言わしめた大谷。登板翌日にダイヤモンドを駆け回る奮闘があってこそ、ミラクルが生まれた。(杉浦大介通信員)

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2021年8月21日のニュース