ドラフト「隠し玉」札幌学院大・近藤 破壊力抜群“岩石”ストレート 広島・フランスアをほうふつ

[ 2020年10月20日 05:30 ]

ドラフト「隠し玉」 ハンター菊地選手の発掘ナイン

札幌学院大・近藤廉
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 【札幌学院大・近藤廉投手 22歳】最終回はとっておきの隠し玉を紹介します。今年の“隠し玉オブ・ザ・イヤー”と言っても過言ではないのが近藤です。

 札幌学生リーグ2部の左腕投手で、4年間のリーグ通算成績は3勝9敗。繰り返しますが、2部リーグの成績です。そんな無名投手なのですが現在、7球団から調査書が届いています。北海道で生まれ育った選手と思いきや、近藤は東京都板橋区出身。北海道へと飛び出して、大きく成長した投手なのです。

 豊南(東京)では最速135キロだった球速は現在148キロまで到達。本人は「トレーニングと食事で体重が15キロ増えたら、ボールが強くなりました」と要因を語ります。実際に会ってみると、まず威圧感ある体つきに驚きました。身長1メートル80、体重87キロ。たくましい肉体は実は「痩せやすい体質」という近藤が苦心の末に手に入れたもの。慣れない北国での一人暮らしで、ひたすら肉を食べてタンパク質を摂取したそうです。

 148キロの直球は、球速以上に速く見えるのが特長。私だけでなく、視察に訪れるスカウトも次々に口にするそうです。まるで硬い岩石を投げつけるような破壊力抜群の剛球は、重いサンドボール、わずかに重いボール、軽いボールの3種類を投球するドリルの成果によるもの。カットボール、フォークなど、直球の軌道から変化する球もレベルが高く、プロでいえば、フランスア投手(広島)をほうふつさせます。球の強さ、独特のリズムのフォームといった共通点も感じます。1球ごとのムラ、荒々しさはありますが、少しずつまとまってくれば、1軍で活躍できるだけの能力は持っています。

 今回「発掘ナイン」として9選手を紹介しました。運命のドラフトまであと1週間ですが、これからも彼らの野球人生を長い目で応援していただけたらと思います!(フリーライター)=おわり=

 ◆近藤 廉(こんどう・れん)1998年(平10)9月22日生まれ、東京都板橋区出身の22歳。志村ボーイズではベンチ外も、豊南3年時は背番号1。東東京大会は初戦敗退。札幌学院大では札幌学生2部通算3勝9敗、防御率2.72。1メートル80、87キロ。左投げ左打ち。

 ◆菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、2015年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(2010年10月8日)。野球部員の生態を分析する「野球部研究家」としても活動しつつ、さまざまな媒体で選手視点からの記事を寄稿している。著書にあるある本の元祖「野球部あるある」(集英社)などがある。ツイッターアカウント:@kikuchiplayer

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