阪神・藤浪 出たー!虎史上最速162キロ 完璧リリーフ!圧巻の3者連続三振

[ 2020年10月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-1ヤクルト ( 2020年10月19日    甲子園 )

<神・ヤ21> 7回に登板した藤浪(撮影・大森 寛明)
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 「猛虎最速」襲名! 阪神・藤浪晋太郎投手(26)が、19日のヤクルト戦で球団史上最速を1キロ更新する162キロをマークした。プロ野球歴代3位タイで、日本人投手では歴代単独2位に躍り出た。7回に3番手で登板し、3者 連続三振と圧巻の投球を展開。7試合連続無失点と、与えられた役割に全力投球で応えた。 試合結果

 猛虎の歴史的瞬間に立ち会う幸運に恵まれたのは、わずか3593人だった。今季最少であるだけでなく、実数発表が開始された05年以降でも最少入場者数だ。その試合で藤浪が、ドリス、スアレスと肩を並べていた161キロを上回った。

 「出た瞬間は気づかなかったですが、ワーッとなったんでガンを見たら162になっていた。いいボールだったと思います。腕を振りに行ったボールでしたし、出たこと自体はいいと思うので」

 7回から3番手で登板。中村、西浦から空振り三振を奪い、代打・松本友と対峙(たいじ)した。カウント1ボールから投じた2球目、空振りを奪った真ん中高めの直球が、球団最速更新の162キロを計測。電光掲示板に「162」が表示されると、スタンドがどよめいた。プロ野球歴代3位タイで日本人投手では高校時代のライバル・大谷翔平(エンゼルス)に次ぐ単独2位に躍り出た。最後は松本友を空振り三振に仕留め、7試合連続無失点も継続。威風堂々、マウンドを後にした。

 日々、進化を期す。18日の登板では1回無失点も、腰高だった点が気になった。そこで即座に修正し、この日は「重心を低く落としてプレートを蹴って行くくらいのイメージで投げて行くとタイミングもよかった」。「162キロ」は確かな手応えの証でもあった。

 ブルペンでは今季限りで現役引退する藤川からもアドバイスを受ける。「“右足しっかり固定して、あとは左足だったり両手が自由に使える状態でいいバランスで投げていると思うよ”とか、そんな話をしてもらっています」。レジェンドと過ごす残り限られた時間が藤浪の財産となる。

 今から10年前の10年10月、大阪桐蔭高1年秋時点の最速は143キロだった。そして今。当時82キロだった体重は18キロ増えて公称100キロとなり、体の成長に比例するかのように直球の最速も19キロ上がった。「162キロ」はペース配分不要の中継ぎだからこその産物であることは間違いない。加えて、常に進化を目指して自らを鍛え上げてきた藤浪の努力の結晶の一つでもある。

 中継ぎ起用に「ちょっと慣れてきた部分はあります」と言うが、本来の居場所は真新しいマウンドの上だ。そこに戻るためにも、今は目の前の役割に全力投球する。(惟任 貴信)

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