日本ハム・西川 主将の意地!満塁一掃三塁打でチーム勝率5割復帰 有原&誕生日の母に白星贈る

[ 2020年9月6日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム6―2西武 ( 2020年9月5日    札幌D )

<日・西>8回2死満塁、勝ち越し3点適時三塁打を放った西川は塁上でガッツポーズ(撮影・高橋茂夫)
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 満塁の悪夢を歓喜に変えた。日本ハム・西川遥輝外野手(28)が5日、西武戦の8回2死満塁から左中間を破る走者一掃の決勝三塁打を放ち、チームを勝率5割復帰に導いた。2日の楽天戦では2点を追う9回1死満塁から一ゴロ併殺打に倒れ、悔しさを晴らす会心の一打。同じ92年生まれで8回で降板した有原航平投手(28)にも白星をプレゼントした。

 ハイライト映像が流れる試合後の取材ルーム。西川の安どの「良かった」の声が4度も響いた。「満塁で3人還せた気分は?」と問われ「良かった~!本当に良かった!良かった!(自身の打った映像がちょうど流れ)あ~良かった~!」。勝敗の責任を一身に背負う主力、そして主将としての重圧が一瞬だけ和らいだ瞬間だった。

 2―2の8回2死満塁。最速162キロ右腕・ギャレットが相手だったが、「なぜか真っすぐはあまり頭になかった」。その野性の勘が的中した。カウント1―1から初球と同じ外角スプリットを捉えた打球は、中堅・金子のグラブに一度当たって落ち、走者3人が生還。自身も快足を飛ばして三塁へ滑り込んだ。8回2失点と好投していたベンチの有原へ向けてガッツポーズ…のはずが、「(降板が決まってベンチ裏でアイシング処置をしていた)有原がいなくて寂しかった」とオチが付いた。

 2日の楽天戦では2点を追う9回1死満塁から一ゴロ併殺に倒れて試合終了。しかも、控えの清宮、王柏融ワンボーロン、浅間がつないだ満塁機だっただけに、主将として自責の念にさいなまれていた。「はいつくばりながら家に帰った。1点でも返せず悔しいし、情けなかった」。翌3日の同戦で適時打2本で2打点も「まだ1人還せていない」と満塁機で3人を還せなかった悔しさを胸に刻んでいた。

 3番を打っていた近藤が右ふくらはぎ打撲で欠場した8月22日の楽天戦から3番で起用され、13試合で打率・393、13打点。近藤が復帰後も3番として得点源となっているが、「近ちゃんのしんどさがひしひし身に染みている」と打点が求められる3番の重圧とも戦っている。

 5日は母・恵美子さんの誕生日。試合前に「オカン、誕生日おめでとう。今日頑張るわ。大好きよ」とLINEを送っていた。宣言通りの活躍に「“頑張るわ”ってLINEして打ったって書いておいてください」と自ら売り込むちゃめっ気も見せた。

 残り53試合。上位追い上げへ、ここが踏ん張りどころだ。栗山監督が「鉄の意志を持つ」と評する、野球へ情熱を注ぎ続ける主将が背中で引っ張っていく。(東尾 洋樹)

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