阪神・藤浪 巨人に屈辱…チームワースト11失点 最短で8日に自力V消滅

[ 2020年9月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―11巨人 ( 2020年9月5日    甲子園 )

<神・巨>3回1死満塁、藤浪はボールの判定に天を仰ぐ(撮影・後藤 大輝)
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 阪神は、5日の巨人戦に2―11で大敗し、連勝は2で止まった。先発した藤浪晋太郎投手(26)が球団ワーストの11失点で、4回2/3で無念のKO。全勝を目指した宿敵との4連戦は2戦目で痛恨の黒星を喫し、最短で8日に自力優勝の可能性が消滅する。セ・リーグの灯を消さないためにも残り2戦を連勝するしかない。

 うつむいた顔を、しばらく上げることができなかった。敗戦、屈辱、悔恨…。すべての負の感情と責任を背負い込み、藤浪は、ベンチで肩を落とした。

 「大事な4連戦で勝たなければいけない試合でしたが、崩れてしまいチームに迷惑をかけてしまい申し訳ないです」。この一戦が持つ重みを自覚していたからこそ、自身にも、そしてチームにもショックは大きかった。

 試合前の急な豪雨で1時間2分遅れてのプレーボール。思わぬ“小休止”は初回の3者凡退で振り払ったはずだった。しかし、再び“雲行き”は怪しくなる。2回に大城の左中間への2点適時二塁打で先制を許すと苦投は始まった。3回は2安打1四球で1死満塁とされると、丸には押し出し四球。続くウィーラーからは3連続適時打を浴びてこの回だけで5失点と炎上した。

 3回を終えて7安打7失点。自慢の直球ははじき返され、際どいコースの変化球はことごとくボール判定となった。イニング間のキャッチボールで大暴投するなど立ち直る兆しも見られなかった。KOでもおかしくない内容もチームは13連戦中とあって、序盤からリリーフ陣はつぎ込めない。試合の大勢は決していたが、3回に巡ってきた打席にも立ち、1イニングでも多く消化するため続投を決断。矢野監督は「この展開、みんな中継ぎの登板も多くなってる中では苦渋の決断をしてるだけ」と説明した。

 4回こそ無失点で粘ったものの、5回には2死満塁から二ゴロを処理した小幡の一塁悪送球で2点を失うと、亀井にも中前に運ばれて計4失点。125球を投じ、4回2/3でマウンド降りる背番号19に注がれる励ましの拍手がむなしく響いた。

 11失点は自己最悪で、球団でも過去に7人いた10失点を上回るワースト。1227日ぶりとなる甲子園での白星どころか、屈辱的な記録が刻まれた125球になった。8月21日のヤクルト戦で692日ぶりの白星を挙げて以降、2試合連続でKO。指揮官は2軍降格については「それはまぁ、分からんけど」と明言しなかった。

 逆転優勝へ4連勝を目指して臨んだ4連戦。接戦を制した前夜の勢いそのままに宿敵を慌てさせたかったが、大敗を喫しゲーム差は7・5に戻った。最短で8日に自力優勝が消滅。6日は自身4連勝中の秋山、7日は対戦防御率0・64の高橋を起用してカード勝ち越しを狙う。一戦も落とせない戦いが続くことに変わりはない。(遠藤 礼)

 ≪阪神ではメッセンジャーらが10失点≫9藤浪(神)が11失点。個人の1試合最多失点は、50年5月31日毎日戦で伊藤万喜三(東急)が記録した18。阪神では18年7月3日中日戦のメッセンジャーまで過去7度あった10失点を上回る球団ワースト記録になった。

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