広島、自力V消滅 大瀬良また炎上4回途中8失点…今季最多借金8 佐々岡監督「申し訳ない」

[ 2020年9月6日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-10DeNA ( 2020年9月5日    マツダ )

<広・D>3回2死、DeNA・ソトにソロ本塁打を打たれた広島・大瀬良(撮影・奥 調)
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 広島・大瀬良大地投手(29)が5日のDeNA戦でまた炎上だ。2発を被弾し、4回途中で今季ワーストの9安打8失点KO。前回8月29日の阪神戦でも3回5失点で降板しており、2試合連続の背信となった。試合は1―10の大敗で、今季最多の借金8。首位・巨人が勝ったため、65試合目にして自力優勝の可能性が消滅した。

 直視できないほど痛々しい投球だった。直球は走らず、カットボールなど変化球も総じて高く甘い。2本塁打を浴び、4回途中で今季ワーストの9安打8失点KO。苦投の末に4敗目を喫した大瀬良は、広報コメントに悔しさをにじませた。

 「今日はボールが高く、精度自体もよくなかった。2試合連続で自分の投球ができず、悔しい結果になってしまいました…」

 いとも簡単に「H」ランプをともされた。初回に長短3安打で2失点。3回には2死からソトに一発を被弾した。4回にも柴田に1号3ランを浴び、なおも1死一、二塁となったところで首脳陣は交代の断。直後に中田がソトに3ランを許し、試合の大勢は決した。

 準備万端…のはずだった。前回8月29日の阪神戦で3回5失点KO。「球の強さが足りなかった」反省から、体の切れを取り戻そうと、短いダッシュに励んだ。この1週間は午前7~8時に起床、体をデーゲーム仕様に仕立てた。ところが…。

 「高さなど全体的に大地らしくない投球だった。(不振脱出の)答えは一つではなく、いろいろ含めてです」

 沢崎投手コーチは言葉に含みを持たせる。屈辱の前回登板を踏まえ、責任感が人一倍強い大瀬良は名誉挽回に燃えていたはずだ。ましてや、前日4日は救援7投手が登板する総力戦。少しでも長いイニングを…と自らに課しながら、空転してしまう現実は重い。

 大敗を喫した佐々岡監督は、ファンに「申し訳ない」と頭を下げた。自力優勝の可能性は消滅し、今季最多の借金8。不振が続く右腕にも「状態がよくないから、こういう結果になった」と言及し、登板間隔を空ける質問には「今から考える」と否定しなかった。

 「自分の投球ができるように、自分を見つめ直して頑張ります」

 必死に前を向く大瀬良に、コンディション不良で抹消となった7月末の悪夢がよぎる。調整が難しいコロナ禍のシーズン。大瀬良は試練をどう乗り越えるのか。チーム同様、楽観視はできない。(江尾 卓也)

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