DeNA・大貫 プロ初完投で救援陣に恩返し「いつも助けてもらってる」チーム借金危機救う6勝目

[ 2020年9月6日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA10-1広島 ( 2020年9月5日    マツダ )

<広・D>プロ初完投勝利のDeNA・大貫はウイニングボールを手に笑顔を見せる(撮影・奥 調)
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 未知の領域となった9回。2死から連打を浴びたが、DeNA・大貫は冷静だった。112球目、田中広を中飛に打ち取ると、控えめに両拳を握った。「完投したことがなかったので、本当にうれしかった」

 プロ2年目での初完投はチームにとって、今季初めて9回を投げきった投手となった。連敗を4で止めただけではない。チームの窮状を救った。2戦連続で7投手をつぎ込み、前夜の試合終了は午後10時48分。13連戦の5戦目で登板過多の救援陣に休息を生んだ。先発が7回以上を投げたのは、8月9日の平良以来だった。

 「いつもリリーフの方に助けてもらうことが多い。少し休ませることができたんだったら、僕としてもうれしい」。ブルペンで感触の良かったツーシームを駆使し初回は内角を意識させて3者凡退。4回に1失点しただけで、中盤以降はスプリットや今季覚えたカットボールで的を絞らせなかった。ラミレス監督も「この完投は大きかった。今の先発を見回しても、最も安定している投手」と賛辞を贈った。

 1メートル81、73キロの細身の体から「豆苗」のあだ名を持つ右腕。昨年は夏場に2キロ落ちた体重も、今年は「常に気持ち悪いくらいの胃の状態」と食事量を増やして体重をキープし、夏バテ知らずの快進撃を続ける。自身6連勝で勝ち星は新人だった昨季に並んだ。今永、平良を欠く先発陣を支え、負ければ借金生活突入の危機も救った。(町田 利衣)

 ◆大貫 晋一(おおぬき・しんいち)1994年(平6)2月3日生まれ、神奈川県出身の26歳。静岡・桐陽から日体大に進み、2年春に首都大学リーグでベストナイン。新日鉄住金鹿島では18年の日本選手権で4強入りに貢献した。同年ドラフト3位でDeNA入団。1メートル81、73キロ。右投げ右打ち。

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