西武・内海も痛感した 巨人の杉内2軍投手コーチの言葉

[ 2020年9月6日 09:00 ]

移籍初勝利の内海はウイニングボールを手に笑顔(撮影・沢田 明徳)
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 昨年、西武・内海と話をする機会に恵まれた。15年間慣れ親しんだ古巣の巨人を離れ、新天地での生活をスタートさせていた。内海にチームの雰囲気を尋ねると、こんな言葉が返ってきた。

 「みんないい人ばかり。馴染めるようにといろいろ気を遣ってくれてます」。いつもの穏やかな笑みだった。

 ところが次の瞬間、笑顔は消え、真剣な表情に変わる。「あとは…。あとは、勝たないと、です。杉内さん(現2軍投手コーチ)が巨人に来て1勝目を挙げたときに言ってたんです。“勝ったことでやっとみんなに認められたような気がする”って。今、まさにそんな気がしてます」。

 11年オフ。国内FA権を行使し、杉内がソフトバンクから巨人に移籍した。日本一を置き土産に鳴り物入りで加入した沢村賞左腕だったが、人見知りな性格。そんな杉内が溶け込みやすい環境づくりを進めたのが、他でもない内海であった。

 投手会を頻繁に開き、周囲がコミュニケーションを取りやすいように「俊兄(としにい)」と言う呼び名も決めた。杉内は「テツ(内海)のおかげで、すんなり溶け込むことができた」と報道陣に対して何度も口にしている。他球団から移籍し、年齢は杉内が二つ上。同じ左腕。本来ならライバル関係になる2人が共闘を誓った。杉内の移籍1年目の12年にはリーグ優勝と3年ぶりの日本一を達成。杉内は12勝、内海は2年連続最多勝となる15勝をマークしている。

 杉内は巨人での初勝利後、内海らチームメートに向けて感謝の思いを伝えた上で「勝ったことでやっとみんなに認められたような気がする」と素直な思いを明かしている。そんな姿を一番身近で見てきたからこそ、1軍での登板機会が一度もなかった昨年の内海は、心の底から勝利を欲してきたはずだ。

 2日のロッテ戦。先発した内海が、移籍2年目にして新天地での初勝利を挙げた。巨人時代の18年8月21日のDeNA戦以来、実に743日ぶり。「1軍で勝って、ようやくライオンズの一員になれるという気持ちがずっと心にあった。本当に感無量」。当時の杉内と同じ言葉を内海も口にした。重圧から解き放たれた38歳の巻き返しに期待したい。(記者コラム・川手 達矢)

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