阪神 苦渋の矢野采配…糸井、サンズ、ボーア2打席で早々交代「展開的にね。ちょっとしんどいかなと」

[ 2020年9月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―11巨人 ( 2020年9月5日    甲子園 )

<神・巨>巨人に大敗を喫し、ファンにあいさつする矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 藤浪の大炎上だけが敗因ではない。前夜4日の巨人戦では戸郷を10安打5得点で打ち崩した阪神打線が、今季初対戦の今村の前に沈黙。序盤から簡単にアウトを積み重ね、矢野監督は11点差に開いたため3番糸井、4番サンズ、6番ボーアを2打席で交代させ、最後まで必死に抵抗する姿を見せられなかった。

 「展開的にね。ちょっとしんどいかなという。それを言い訳にする訳にはいかないんだけど…」

 しぶとく競り勝ったカード初戦から一転、あまりに寂しい大敗だった。0―11の7回に大山が意地の一発を放ったが、焼け石に水。最後はその大山もベンチに下げ、首位を独走する宿敵との直接対決にもかかわらず若手に経験を積ませるような展開となった。13連戦の渦中だけに、明日以降をにらんでの采配かと問われた指揮官は、あえて語気を強めた。

 「もちろん、この展開でね。打席に立てない選手が打席に立てたり。(中堅で途中出場した植田)海も外野をなかなか守っていないけど、外野を守れたり。みんなこういう時だからこそできることもあるのかなというところで、俺の中で判断してやった」

 ただでさえ変則日程で、選手も例年とは違う調整を強いられてシーズンに臨んでいる。猛暑に加え、今後は連戦が続き、特にベテラン、外国人のコンディションには気を配る必要はある。それでも、逆転優勝にはどうしても負けたくなかった1戦だった。試合後には珍しくファンからの怒声も響いた。

 「1戦必勝」を常々口にする矢野監督にとって、苦渋の采配を強いられた試合。再び7・5差に開いた宿敵との直接対決は、もう本当に落とせない。この日の悔しさは監督も選手も胸に刻んでいるはず。今日からの残り2試合にそれをぶつけるしかない。(山添 晴治)

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