西武・松坂、投げて応援“グラブ9変化”…知名度全国区じゃなくてもプロがうなる逸品がある

[ 2020年2月11日 09:30 ]

ラグデリオンのグラブでブルペン投球する松坂(撮影・尾崎 有希)
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 皆さん、このグラブメーカー知ってますか?12球団の選手の中には、有名大手の道具メーカーではない聞き慣れないメーカーのグラブを使用する選手もいる。西武の松坂大輔投手(39)は実に9社のグラブを使用。オリックスの山本由伸投手(21)はプロスペクト社のブランド「アイピーセレクト」を愛用する。そんなグラブの数々を紹介し、選手の思いに迫る。

 6日のキャンプ2度目のブルペン。松坂が使用したグラブには「RAG」と刻まれていた。ラグデリオン。そして、9日のブルペンでは「WP」と入ったワールドペガサス社のグラブだった。全国区ではない製造元のグラブでも、松坂が使用すれば映える。ちなみに3日の初ブルペンは「RYU」だった。

 今キャンプで松坂の手元にあるグラブは9社分。各メーカーの願いに応える形で、日々多彩なグラブが披露されている。
 「米国から(15年に)帰国してメーカーとの契約が切れた。そこから、使いたいものを使いたいと考えた。グラブに関しては、人が使用していないものにまず引かれる」

 18、19年の中日ではナゴヤドームのマウンドに主に「RYU」を使用して立った。岐阜県にあるスポーツメーカーで、そのグラブの取り扱いが品薄になるほどだった。

 「もちろん(グラブの)詳細を分からないと使用はできない。でも少しでも僕が使用することで、宣伝になってもいいと考える。今は大手でなくても、素晴らしいグラブを作るメーカーが多い。野球をする方たちが、いろいろな選択肢があるということを知ってもらう機会になれば」。平成の怪物は、自身の果たす役割を自覚し「おらが街のグラブ製造」に希望の光を与えている。

 「自分からお願いしたことはないですが、練習でもいいから使ってくださいと言われている。(キャンプ地の)南郷に来たらたくさん届いていた」。その人柄がにじみ出る。

 松坂が左手にはめるグラブに視線を送るのも、今キャンプの注目点の一つ。14年ぶりに復帰した古巣で、背番号16は、作り手の思いも背負って投げる。(大木 穂高)

 【宮崎和牛グラブは大輔モデル】6日には宮崎県産黒毛和牛である宮崎牛を使用した「和牛JBグラブ」が松坂に手渡された。製造元のボールパークドットコム・山内康信代表取締役は「使用してもらうことで宮崎の野球熱が上がれば」と期待を込めた。松坂に同グラブを手渡すのは2度目だが、今回は正真正銘の「大輔モデル」。色は赤、ひもは紺色で脇に「DICK 16」の刺しゅう。「野球界の至宝の大人の対応に感謝です」と語った。

 <松坂が今キャンプで使用するグラブ>
 ▼ラグデリオン 岐阜県不破郡関ケ原町が本拠。キャップ、Tシャツなども販売。
 ▼ディーバイエム 三重県四日市市が本拠。昨年7月から発注開始も人気上昇中。
 ▼宮崎和牛グラブ 宮崎県宮崎市のボールパークドットコムが製造。野球専門に幅広く道具を販売。
 ▼RYU 岐阜県羽島市のますかスポーツで取り扱い。グラブ発注は品薄状態。
 ▼アクセフベルガード 埼玉県越谷市のベルガードファクトリージャパンがテイコク製薬社と共同で製造した特注品。
 ▼ワールドペガサス 東京都豊島区が本拠。元巨人の桑田真澄氏も使用していた。
 ▼ダイス 奈良県桜井市のグラブ製造アトムズから独立した職人が作る特注品。
 ▼美津和タイガー 大阪府堺市が本拠。野球用品専門。日本ソフトボール協会の推奨も受ける。
 ▼フォースキフト 神奈川県厚木市が本拠。各種スポーツ用具のほか、衣類にも力を入れている。

 ≪オリックス・由伸、通学路で“運命の出合い”≫オリックス・山本が求めるものは、パフォーマンスを最大限に発揮できる最上のツールだ。プロスペクト社のブランド「アイピーセレクト」のアルモニーアグラブを愛用する。
 「とにかく質が良いんです。野球だけでなく、人間が自然な動きをする上で、必要なものを備えています」
 出合いは岡山・備前中3年の時。「通学路にあったスポーツ店で働いていた人が作ったんです」。社会人・王子製紙米子を退社後、岡山県備前市の実家のスポーツ店を継いだ鈴木一平(たいら)氏(49)が98年に前身ブランドを立ち上げた。
 山本は投球時、グラブをはめた左腕を真っすぐ前に伸ばし、同時にボールを持つ右腕も反対側へ。体の中心から左右対称に開いた状態から体重移動を開始し、下半身も含め全身機能を連動させる。グラブは中指を出すタイプでライフルの照準のような役目を果たす。
 「グラブ作りのプロという、こだわりが凄かった。こちらも意見を伝える中で、何度も丁寧に話し合ってくれたし、一つ一つに、こだわりを感じた。岡山で出合ってなくても使っていたと思います」。全球種が絶品のボールを投げ込む右腕。その左手にも、一級品を携えている。(湯澤 涼)

 ≪中日・石垣 松坂と同じ「しっとり」革の質感≫中日の石垣はラグデリオンのオーダーメードのグラブを使用している。18年シーズンに試しに使ったところ「やっぱり革が良いですね」と使用感を気に入り、今季から本格的に使い始めた。本職は内野手だが、左翼など外野守備にも挑戦しており、ラグデリオンの内外野グラブをそれぞれ準備。「はめた時にしっとりしているし、耐久性も良い」と相棒との相性はばっちりだ。

 ≪ヤクルト・吉田大喜、父のお手製「小さめ」の特注品≫ヤクルトのドラフト2位・吉田大喜(日体大)は大阪府茨木市内にある「すみれスポーツ」のグラブを使用する。
 同店は父・英樹さんが店長を務めており、細かい注文が可能。発注したグラブは通常の投手用より小さめ。「左手がコントロールしやすいように」。投球時に壁をつくる左手の動きを重要視する、右腕なりのこだわりが詰まっている。

 ≪日本ハム・梅林、ミットに誓う「大学時代の恩返し」≫日本ハムのドラフト6位・梅林(広島文化学園大)は、埼玉県川口市に本社を置くアップセット社の用具を使用。高陽東時代の先輩が同社で働いている縁もあり、大学時代から使用してきた。
 広島・薮田らが専属契約を結んでいるが、捕手では初めて。番狂わせを意味する社名と下位指名からはい上がる自身の姿を重ね合わせており「大学時代からお世話になってきたので活躍して恩返ししたい」と力を込めた。

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