【独占手記】日本ハム宮西、史上初300H「ホールドを魅力あるものに」

[ 2019年4月14日 08:54 ]

パ・リーグ   日本ハム3―0ロッテ ( 2019年4月13日    札幌D )

<日・ロ>通算300ホールドを達成した宮西(中央)は記念ボードと花束を持って上沢(左)、加藤と記念写真に収まる(撮影・高橋茂夫)
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 前人未到の大記録だ。日本ハムの宮西尚生投手(33)が13日、ロッテ戦で3点リードの7回に登板。3者凡退で今季6ホールド目を挙げ、プロ野球史上初の通算300ホールドに到達した。08年の入団から昨季まで11年連続で50試合以上に登板している左腕はスポニチ本紙に独占手記を寄せ、記録への思い、周囲への感謝などを激白した。

 いつも通りの準備をして、いつも通りの気持ちでマウンドに向かった…。つもりだったけど、やっぱり力は入った。ホールドは先発、つないできた投手、点を取ってくれる野手がいて記録が付く。改めて周囲への感謝の思いを強く感じる。

 大学でも先発をしていたから1年目は先発がしたかった。でも当時はダルビッシュや武田勝さんたちがいて、自分が入り込む余地はなかった。左の変則フォームで他球団にソフトバンクの松中さんやオリックスのローズとか左打ちの強打者が多かったことで、1年目から中継ぎで1軍に入ったけど、心のどこかで「どうせ注目を集めて、金を稼ぐのは先発やろ」という、やさぐれた思いがあった。

 そんな自分を変えてくれたのは2年目の09年に巨人でセットアッパーをされていた山口さんと越智さんの存在(※1)。その年は巨人が優勝して、目立たないと思っていた中継ぎにスポットライトが当たっていた。「自分も勝利の方程式に入りたい」と憧れた。先発への未練を抱えたままだったら絶対に今の自分はない。去年まで山口さんのホールド記録が目標だった(※2)。目標があれば人は頑張れる。いつか岩瀬さんのプロ野球最多登板(1002試合)も超えたい(現在636試合)。

 改めて思う。セットアッパーはつらいことばかり。抑えて当たり前、打たれたら取材される。調子が悪くても、何失点しても、すぐに次の登板が来る。だからたまに上がるお立ち台でもファンを楽しませるためにはしゃぎたいけど、はしゃげない。次のことを考えたら、心の底から笑うことはできないから。

 忘れられないホールドは開幕から不振だった11年5月8日のソフトバンク戦。7回を無失点に抑えたけど満塁にされたり内容は散々だった。その2日前も負け投手だったからベンチで涙が止まらなくなった。その時に二岡さんや武田久さんに「おまえが打たれても誰も責めない」「おまえが頑張ってるのは、みんな知ってる」と声を掛けられた。救われたと同時に「かまってもらいたい」という甘ったれた自分がいたことに気づいた。情けなかった。どんな状況、調子でもポーカーフェースに徹しようと決め、ここまでやってきた。

 いつも栗山監督は「俺はミヤで打たれて負けるならそれでいい」と言ってくれる。去年の11月に左肘を手術した時も「無理に来年の開幕に合わせなくていい」と言ってくれて楽になった。しばらくブルペンは苦しいと思うけど監督に「頼む」と言われたらどんな場面でも投げる。それが自分の存在意義だから。

 自分の使命は、まだまだ知名度が低いホールドにスポットを当てること。400、500までいけば、また注目してもらえる。自分の記録を狙ってプロ入りする投手が増えたらうれしいし、残りの野球人生を懸けてホールドを魅力あるものにしたい。去年まで11年連続で50試合以上に登板できたのも監督、コーチ、トレーナーの方々の支えがあったから。まずは3年ぶりの優勝と日本一で恩返ししたい。(北海道日本ハムファイターズ投手)

 (※1)山口鉄也が73試合に登板して9勝1敗4セーブでリーグ最多35ホールド、越智大祐は66試合で8勝3敗10セーブ24ホールド。リーグ3連覇に大貢献した。

 (※2)宮西は昨年7月6日のロッテ戦で巨人・山口鉄を抜いて歴代1位となる274ホールドとした。

 ≪HPも歴代最多≫宮西(日)が13日のロッテ戦で今季6ホールド目を挙げ通算300ホールドを達成。プロ野球史上初。初ホールドは08年4月4日オリックス戦で記録。宮西はホールドと救援勝利33を合計したHP(ホールドポイント)も歴代最多の333となっており、区切りの350HPまではあと17に迫っている。

 ▽ホールド 中継ぎ投手の評価法で、96年にパが採用。05年からは両リーグで採用されている。勝敗、セーブがつかない救援投手のうち、同点で登板し1死以上のアウトを取り同点のまま降板、セーブ条件を満たす状況で、1死以上アウトを取り、リードを保って降板した場合などに1ホールドが与えられる。

 ◆宮西 尚生(みやにし・なおき)1985年(昭60)6月2日生まれ、兵庫県出身の33歳。市尼崎から関学大を経て07年大学・社会人ドラフト3巡目で日本ハム入団。16、18年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。1メートル80、79キロ。左投げ左打ち。

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