オリ“ラオウ”杉本、初の1試合2発 脱力打法で危機救った

[ 2019年4月14日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス10―3西武 ( 2019年4月13日    メットライフD )

<西・オ>7回無死、この日2本目のソロ本塁打を放つ杉本(撮影・尾崎 有希)
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 前日12日には多和田に2安打完封を許すなど貧打に苦しむオリックスに救世主が登場した。漫画「北斗の拳」のラオウを敬愛する4年目の杉本だ。外国人を外した国産打線の4番に座り、特大の2発。チームの危機を救い、今季最多得点を呼び起こした。

 まずは3回無死一塁だ。今井の高め直球を強振すると、打球は電光掲示板に直撃する2ラン。さらに7回には田村の直球を左中間席へ運ぶ2号ソロ。「練習でもなかなか打てない打球」と2発とも納得の感触で、西村監督も「4番の仕事。これだけ打つと、明日も置くしかない」と4番継続を宣言した。

 本塁打を打つために、昨オフから力まずにスイングする練習に取り組む。イメージは「激流を制するのは静水」というラオウのライバルであるトキの名言。まさかの“浮気”だが、その通りの脱力が奏功し、これでプロ通算7安打のうち、本塁打が5本、二塁打が2本になった。「自分は率を残せる打者ではない。それより長打」。その原点は、実はイチローにある。

 新人の年からイチローとの合同練習に参加し、3年間ですごみを実感した。「練習でもイチローさんは、ホームランばかり打っていた。飛距離には自信があったが、僕よりも全然。僕も練習で遠くに飛ばそうと思うようになった」。イチローにあこがれ、イチローをまねした野球少年のごとく、深夜までまたいだ先月の引退会見も、オープン戦中だったが全て拝見し、思いを強くした。開幕1軍は逃したが、11日の昇格後は存在感がキラリ。長打ばかり打つ「ミスターアーチ」の伝説はまだまだ続きそうだ。 (鶴崎 唯史)

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