【石井一久氏クロスファイア】個性派集団まとめるRソックス指揮官との“救急車つながり”

[ 2018年8月15日 09:00 ]

ベンチから戦況を見守るレッドソックス・コーラ監督(右)(AP)
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 今季のMLBは、レッドソックスが圧倒的な強さを誇っている。ここまで85勝35敗、勝率・708。そのチームを今季から率いているのが、アレックス・コーラ監督(42)だ。僕は02年から3年間、ドジャースで彼とチームメートだった。

 メジャーで監督経験がないにもかかわらず、名門球団と3年契約を結ぶと、開幕からの快進撃で、監督としての評価を一気に上げている。プエルトリコ出身。伝統あるレッドソックスが中南米出身者を監督として迎え入れるのは、コーラが初めてだという。

 中南米の選手は陽気でノリがいいが、彼はむしろ落ち着いていて、規律もしっかりしていた。選手としては、内野の守備は抜群にうまかったが、打撃成績はメジャー通算14年間で828安打。どちらかと言えば、脇役だ。スター選手ではなかったので、周りとの付き合いもうまく、気遣いもできる。だからこそ、レッドソックスのような個性派集団をまとめられるのではないか。

 コーラについて、覚えていることがある。02年の8月下旬の試合。盗塁を試み、二塁にヘッドスライディングした際に相手の遊撃手の膝と衝突。首を負傷し、その場で倒れ込んだ。ドジャースタジアムが静まり返る中、中堅から救急車が入ってきたのだが、なぜか左翼方向から三塁フェンス沿いを大回りするようにして二塁に到着した。一刻を争う事態なのに、芝を傷めるのを気にしたのかもしれない。球場は大ブーイングだった。

 2週間後。僕がライナーを頭に受けた(頭蓋骨骨折)。また救急車が入ってきたのだが、今度は中堅から最短距離でマウンドに来てくれた。コーラの時のブーイングが教訓になったのだろう。

 これは彼の監督像とは全く関係ないエピソードだが、もう一つ覚えていることがある。コーラは打席が終わると、いつもビデオルームに直行し、ビデオ係と一緒に配球などを研究していた。昨季は世界一になったアストロズでベンチコーチを務めていたが、データ分析に定評があり、その頭脳をレッドソックスが評価し、招へいした。なるほど、確かに当時から研究熱心だった。(スポニチ本紙評論家)

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