白岡 埼玉栄に競り勝ち初4強!過去32強最高もノーシード快進撃

[ 2015年7月26日 05:30 ]

<白岡・埼玉栄>埼玉栄を破り、笑顔でスタンドに勝利を報告する白岡ナイン

 第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は25日、35大会で100試合が行われた。埼玉大会ではノーシードの白岡が準々決勝で埼玉栄を10―9で下し、初の4強入り。初の甲子園出場へあと2勝とした。東東京大会では関東第一が帝京を破って4年ぶりの決勝進出。福井大会決勝では今センバツ優勝の敦賀気比が福井工大福井にサヨナラ勝ちし、2年連続の出場を決めた。26日は22大会51試合が行われ、西東京大会など9大会で決勝が行われる。

 過去32強が最高だった白岡の快進撃は、頂点まであと2勝となった。2本の本塁打などで6―1とリードしながら、中盤に逆転を許し、6―9。だが、8回に4点を挙げ、再び10―9とひっくり返した。その裏、背番号7の谷中は先頭から2者連続でストレートの四球。まだ試合はもつれるのか。そんな空気を振り払うように、右腕は気合を入れ直した。

 「気持ちで投げました。最後は自分が投げたい球を投げた」。自らサインを出すと、圧巻の3者連続三振。強豪私学の埼玉栄を下し、創部34年目で初の4強入りだ。

 投手2人の継投で勝ち進んできた。この日は谷中が先発し、4回1失点で背番号1の永島に継投した。ところが、その永島が打ち込まれ、1点差とされた6回1死で、鳥居俊秀監督は左翼に回していた谷中を再びマウンドに呼んだ。「自分が打たれた時は、永島が抑える。自分が抑えると永島が打たれる。いつものパターン」と再登板も覚悟済み。一時逆転を許したが、8回には自らも適時打を打ち再逆転に貢献し、最後まで投げ抜いた。

 08年夏に上尾で北埼玉大会準優勝の経験がある鳥居監督が、12年に就任。「永島と谷中は2人で1人。今年は佐賀北式でいこう」と、投手2人の継投で07年夏の甲子園を制した公立の雄にならい、チームの中心に2本柱を据えた。今春は県予選初戦敗退。危機感を持った指揮官は5月上旬までグラウンドを使わず、ひたすら校舎の周囲を走らせた。体力的にも精神的にも成長したナインに「最後までバテることなく粘ってくれた」と称えた。

 26日の準決勝では秋、春県王者の浦和学院と対戦する。「チーム一丸でぶつかりたい」と主将の平塚。公立校としては98年滑川(現滑川総合)以来の夏甲子園へ、ミラクル白岡が2本の槍(やり)で突き進む。(矢吹 大祐)

 ▽白岡 1977年(昭52)4月に創立した全日制普通科の共学校。生徒は男子348人、女子289人の計637人。野球部員は71人。男子バスケットボール部、陸上部は強豪。所在地は埼玉県白岡市高岩275の1。小林伸子校長。

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