40代以上OBの鉄板ネタ「俺たちの頃は水が飲めなかった」

[ 2015年7月26日 10:40 ]

【野球部あるある1】応援に来たお母さんの完全武装を見て、いたたまれなくなる(C)クロマツテツロウ

 7月の下旬に入り、全国各地で甲子園出場校が続々と決定している。輝かしい勝者がいる一方で、当然のことながらほとんどの高校球児は敗者となり、夏の戦いを終えることになる。そして、戦っているのはグラウンドだけではない。スタンドでももうひとつの戦いがひっそりと繰り広げられているのだ。野球部員の「生態」を研究しているライター・菊地選手と漫画家・クロマツテツロウ氏が「あるある」形式で夏の応援スタンドの光景をつづる。

 【野球部あるある1】応援に来たお母さんの完全武装を見て、いたたまれなくなる。

 夏の野球場には、サングラス、帽子、アームカバーなどで皮膚を覆い隠し、日傘を差して野球を見ているマダムがいる。息子が対戦校と戦っている間、母は太陽光と戦っているのだ。だが皮肉なことに、紫外線は刺さらなくても、息子の冷たい視線は突き刺さってくる。近年は野球部員の保護者間でおそろいの帽子とベースボールTシャツを着る文化が浸透してきており、完全武装母の存在はやや減少傾向にある。

 【野球部あるある2】スプリンクラーの水がスタンドまで届くのを心待ちにしている部員がいる。

内野が土の球場では、試合前や試合中に散水タイムがある。スタンドの前列にいると風向きによっては「おこぼれ」が届くことがあるため、応援席にいる部員たちにとってはつかの間のオアシスになる。はた目には騒いでいるだけのように見えるかもしれないが、炎天下で応援をするのは相当な体力を要する。少なくとも、試合に出ていないベンチの部員より疲れることは確実。潤いを欲しているのは土だけではないのだ。

 【野球部あるある3】40代以上のOBが必ずする「水飲めなかった話」。

 夏の応援スタンドは、「同窓会」でもある。現役部員と年齢の近い若者なら控え部員と一緒になって応援するが、だいたいのOBは現役部員のプレーを見守りながら、昔話に花を咲かせる。そして40代以上のOBにありがちなのは、「俺たちの頃は水が飲めなかった」という話をすることだ。水が飲めなかったのは野球部に限らず、あらゆる運動部に共通した風潮だった。今となっては無茶苦茶な、それでいて懐かしい、グラウンドに散った自分たちの夢を語り合う。夏の応援スタンドは、「墓参り」でもある。

 ◆文=菊地選手(きくちせんしゅ)1982年生まれ、東京都出身。野球専門誌『野球太郎』編集部員を経て、フリーの編集兼ライターに。元高校球児で、「野球部研究家」を自称。著書『野球部あるある3』が今夏発売されることになった。アニメ『野球部あるある』(北陸朝日放送)もYouTubeで公開中。

 ◆漫画=クロマツテツロウ 1979年生まれ、奈良県出身。高校時代は野球部に所属した漫画家。現在は月刊少年チャンピオン(秋田書店)にて異色の“野球部漫画”『野球部に花束を』を連載中。単行本(既刊6巻)、LINEスタンプも好評を得ている。

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