田中希実が8位入賞「自分の中の常識も覆せた」女子1500メートル決勝 陸上界に確かな足跡

[ 2021年8月6日 21:55 ]

東京五輪第15日 陸上女子1500メートル決勝 ( 2021年8月6日    国立競技場 )

女子1500メートル決勝で8位入賞を果たし日の丸を掲げる田中(撮影・会津 智海)
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 陸上女子1500メートル決勝が行われ、田中希実(21=豊田自動織機TC)が3分59秒95で8位入賞を果たした。

 序盤から先頭集団に食らいつき、ラスト1周のスパートで離されたが、最後まで粘り、8位に滑り込んだ。2日の予選で日本新記録の4分2秒33で走り、4日の準決勝では、3秒14更新する3分59秒19で日本新を連発。出場すら日本女子として五輪史上初だった種目で、13人しかいない決勝の舞台に立ち、再び3分台で走った。「予選や準決ほどラストが動かなくて、ハイペースで入った分、前の選手にとってはいいペースだったが、自分にとってはハイペースだったので、そこをもっと楽には入れたらラストは勝負できるのではないかと思った」と冷静に振り返った。

 日の丸を背に笑顔もみせた田中は「もう1回、4分切れるなと思った。2回4分切れたのは価値あることだと思うので、次につなげていきたい」と話し「入賞で国旗は申し訳ないというか恐縮する気持ち」と照れながらも「新しいことができたということで、自分へのご褒美と応援してくださる皆様にも喜んでいただけるかなと思って、国旗のいい姿を見せることができてうれしい」と話した。五輪で走るたびに成長を遂げた21歳は「今までの常識を覆すというか、自分の中の常識も覆すことができた。将来的に4分を切っていきたいと思っていたが、こんなに早く切ることができるとは思っていなかった。オリンピックという舞台が大きかった」と胸を張った。

 母・千洋さんは北海道マラソン2度優勝を誇り、現在も父・健智コーチの指導を受ける。幼少期は足が遅い方だったが、無類の読書好きで「小学校の時は早く帰宅して読書したくて、家まで2・5キロを毎日走って帰っていた」(健智氏)ことで才能とDNAが覚醒。読書で磨かれた想像力は作戦面で生きており、「(3冠を狙う)ハッサンがいるからスローになる。自分らしい(前半飛ばす)レースも面白いし、ラスト1周でよーいドンもやってみたい」と決勝のレース展開を想像していたが、積極果敢なレースを展開した。

 日本選手では戦えないと思われていた種目での快挙に「予選と、準決、初めてにして通ってしまったということは、今後も逆に重荷になってくるかもしれない。針の穴に糸を通す感覚ですり抜けてきた感じだたので。入賞以上の、最後まで先頭の優勝争いにしっかり絡めるような、最初の入りへの余裕とラストのスプリントを磨いてタイムをもっと伸ばしたい」と前を見据えた田中。日本陸上界に確かな足跡を刻んだ。

 ◇田中 希実(たなか・のぞみ)1999年(平11)9月4日生まれ、兵庫県小野市出身の21歳。市場小―小野南中を経て西脇工へ進み、3年連続で全国高校駅伝の1区を走る。同志社大では陸上部に入らず、当初はND28アスリートクラブで活動し、チーム解散後に豊田自動織機トラッククラブに所属。19年ドーハ世界選手権5000メートル14位。20年は1500メートルと五輪非種目の3000メートルで日本新記録を樹立した。愛称は「のん」。趣味は読書。1メートル53、41キロ。

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