スポクラ楢崎に世界の高い壁…痛恨のミスで4位「自己ベストを更新したい欲が出た」

[ 2021年8月6日 05:30 ]

東京五輪第14日 スポーツクライミング男子複合決勝 ( 2021年8月5日    青海アーバンスポーツパーク )

<スポーツクライミング男子複合決勝>ボルダリング、第2課題に臨む楢崎(撮影・会津 智海)
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 スポーツクライミング男子複合決勝が行われ、楢崎智亜(25=TEAM au)は、4位で初代王者に届かなかった。3種目の複合で今大会の新競技として実施され、最初のスピードは痛恨のミスがあって1位を取れず。ボルダリングを終えて暫定2位で最終種目のリードを迎えたが、ライバルの壁にはね返された。

 昔の楢崎智を知る人はみな口をそろえる。「内気な子だったよね」。小学5年で歩み始めたクライマーの道。サッカーでもなくラグビーでもなく、壁との対峙(たいじ)を選んだ。理由は「人からボールを奪う行為が嫌」だから。照れ屋で人見知り。そして、人を傷つけることが大嫌い。目指した頂に届かなかった25歳は、力なく笑った。

 「どの選手も強かった。本当に良い勉強になった」

 1種目目・スピードの1、2位決定戦で悪夢を見た。自ら考案した序盤のホールドをショートカットする“トモアスキップ”で、左足が滑った。1位のスペイン選手は6秒42で、5秒72の日本記録を持つ楢崎智にとって痛恨のミス。「欲が出た。自己ベストを更新したい気持ちが出てしまって」。その後のボルダリング、リードでもベストの登りには程遠かった。

 楢崎智が目指しているのは歴代最強のクライマー。3種目の複合で高い総合力を世界に示すはずが、高い壁にはね返された。「めちゃくちゃ悔しいんですけどね」。6日に女子決勝に臨む、野口啓代や野中生萌を勢いづけることもできず。「優勝して、いい流れでパスを回したかったけど。気をつけて、としか言えない」と話し、夢舞台を後にした。

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