【競歩】重圧との戦いだった山西を“盾”にした池田―荒井広宙の目

[ 2021年8月6日 05:30 ]

東京五輪第14日 陸上競歩男子20キロ ( 2021年8月5日    札幌市内 )

陸上男子20キロ競歩で銀メダルに輝いた池田向希
Photo By 代表撮影

 勝負どころの17キロすぎに仕掛けた山西は、最終的には足が残っていなかった。世界選手権王者として前半から海外勢にマークされ、集団を引っ張らされた。余計なストレスで力を使い、体力的にも精神的にも楽できなかった。金メダルを期待され、重圧もあった。かわいそうな銅だった。

 終始、山西の後ろについて歩いた池田は、自分がやりたいレースができた。盾となった山西のおかげの銀でもある。国内のレースで山西に負け続けたことも、モチベーションになった。歩きは腕振りがコンパクトで力強い。ここ数年はレース終盤で離されることが多かったが、今大会は今までの課題を改善し結果につなげた。

 日本が2大会連続でメダルを獲得した理由は2つある。10年以上前から、実業団の選手を集めて合宿するなど組織的に強化してきたこと。また、池田のように駅伝で実績のある東洋大から長距離のノウハウも持ち込まれたこと。五輪で複数メダルを獲得するのが当たり前になってもおかしくないと思う。(16年リオデジャネイロ五輪男子50キロ競歩銅メダリスト)

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2021年8月6日のニュース