スポーツクライミング・野口啓代 執念の銅メダル!現役最後の舞台でやった!

[ 2021年8月6日 21:59 ]

東京五輪第15日 スポーツクライミング女子複合決勝 ( 2021年8月6日    青海アーバンスポーツパーク )

スポーツクライミング・女子複合の野口啓代(AP)
Photo By AP

 東京五輪からの新競技スポーツクライミングの女子複合決勝で、野口啓代(32=TEAM au)が銅メダルを獲得した。

 野口は第1種目の「スピード」で4位。第2種目の「ボルダリング」でも4位と、メダル争いからは後退しかけたが、最終種目の「リード」で4位と粘り、見事に逆転を成功した。

 2019年の世界選手権で銀メダルを獲得し、五輪新種目の第1号となる切符を手にした。15年に左足を痛め、その後も思うような動きができなくなり、現役引退が脳裏をよぎった16年8月。スポーツクライミングの東京五輪での実施が正式に決まると同時に、覚悟も決まった。「東京で引退する」。その思いは、新型コロナウイルスの影響で集大成の舞台が延期となっても変わらなかった。競技人生も1年延ばし「いただいた1年で、どれだけ自分が強くなれるか毎日、考えている」と前向きに話した。

 “金メダル基地”が、さらなる進化を後押しした。チームをサポートするKDDIが、茨城県龍ケ崎市の野口の実家に3種目の壁を建設。昨春に完成し、コロナ禍による自粛期間中も男子で五輪代表の楢崎智亜(24=TEAM au)らとトレーニングに励むことができた。「一日に3種目できる機会も増えた」。苦手としていたスピードでは、最先端の「スポーツ行動認識AI」を活用。動きをより詳細に分析することで、練習では自己ベストを連発した。

 全ては東京で輝くため―。その思いを背に、野口は素晴らしい結果で、競技人生の幕を下ろした。

 ◆野口 啓代(のぐち・あきよ)1989年5月30日生まれ、茨城県出身の32歳。小学5年でクライミングに出会い、地元で本格的に競技を始める。08年にボルダリングW杯で初優勝し、これまで年間優勝が4度で、同種目のW杯通算21勝は歴代2位。リードでも16年のW杯で2位、17年は日本選手権を制した。1メートル65、49キロ。

 ▽スポーツクライミング複合 スピード、ボルダリング、リードの総合成績で争う。各種目の順位を掛け合わせた数字が少ない方が上位となる。予選は20人で実施し、スピードは2本登ってタイムが速い方を採用し、ボルダリングは4課題に挑む。8人の決勝ではスピードはトーナメント戦で順位を決め、ボルダリングは3課題。リードは予選、決勝ともに1課題で実施する。

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月6日のニュース