偉大な“足跡”メダル3つ 卓球・美誠を支えたシューズ 100足もの試作の末、五輪本番で“デビュー”

[ 2021年8月6日 05:30 ]

東京五輪第14日 卓球女子団体戦決勝   日本0ー3中国 ( 2021年8月5日    東京体育館 )

五輪用に新たに開発された「みまシューズ」                              
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 卓球で3つのメダルを獲得した伊藤美誠(20=スターツ)を文字通り足下から支えたのが、本人の要望を盛り込んで製作した「美誠シューズ(ミズノ ウェーブメダルSP4)」だ。スポーツ用品大手ミズノが五輪延期の1年間で前モデル「SP3」から改良。伊藤はSP4をさらにカスタマイズした特注シューズで五輪を戦っている。同社の大谷和さんは「延期の1年があったからこそ、伊藤選手が納得できるものが作れたと思う」と自信を見せた。

 伊藤はコロナ下で鍛えたフットワークにも対応できるシューズを求めていた。そんな中で企画がスタートしたのは20年5月。「新型で東京五輪に臨んだ方が、メダルに近くなるのではないかというところから開発を始めました」(大谷さん)

 伊藤の素早い足の動きでもシューズがずれないように、前モデルよりも足首回りの素材をより硬く、フィット感が増すよう設計した。その伊藤の要望は細かく、ミズノの卓球担当者が履いても試作品ごとの違いが分からないほどだった。

 「試作品はだいたい100足くらい作りました」。伊藤以外の選手が履くと足が痛くなることもあるくらい繊細で「ギリギリまでOKがもらえず、試作品を送っては直しを繰り返しました」と笑う。今年4月にようやく完成。伊藤は「安心してこれでプレーができる」と出来に納得した。

 シューズの公式戦デビューは東京五輪本番だった。今大会でも中国選手を凌駕するプレーを可能にして、混合金メダル、シングルス銅メダル、団体銀メダルをアシスト。大谷さんは「伊藤選手の進化にあったシューズを作れたのが大きなポイントでした」と笑顔で語った。

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