競歩・山西 銅メダルも「本当に甘かった」京大工学部卒ウオーカー金プランに狂い

[ 2021年8月6日 05:30 ]

東京五輪第14日 陸上競歩男子20キロ ( 2021年8月5日    札幌市内 )

銅メダルとなりブーケを手にする山西利和
Photo By 代表撮影

 男子20キロ競歩が行われ、社会人1年目の池田向希(23=旭化成)が1時間21分14秒で日本競歩初の銀メダルを獲得した。19年ドーハ世界選手権優勝の山西利和(25=愛知製鋼)は1時間21分28秒で銅メダル。日本陸上界で五輪のダブル表彰台は36年ベルリン五輪以来、85年ぶりの快挙となった。競歩は16年リオデジャネイロ五輪男子50キロの荒井広宙(33=富士通)の銅に続く2大会連続メダルで、新たなお家芸の地位を築きつつある。

 優勝候補の山西ががっくりと肩を落とした。終盤18キロすぎの勝負どころで3位に転落すると、盛り返すだけの力は残っていなかった。「本当に甘かった」と天を仰いだ。

 京大工学部卒の山西の計算に狂いが生じた。金メダルを目標に綿密にプランを立てたが、序盤に飛び出した中国選手への対応が後手に回った。「追うのか追わないのか中途半端。無駄な立ち回りが多過ぎた」と体力を削り取られた。

 初出場した19年の世界選手権で優勝し、追われる立場で迎えた初の五輪。「ドーハ(世界選手権)からの取り組みで守りに入っていた部分もあった」と難しさも口にした。「自分の弱さや甘さと向き合い続ける。それをクリアすることが次につながっていくと思う」と前を向いていた。

 ◇山西 利和(やまにし・としかず)1996年(平8)2月15日生まれ、京都府長岡京市出身の25歳。小学校から陸上を始める。当初は長距離選手だったが、進学校の堀川高で競歩に転向。京大工学部に現役合格。17年ユニバーシアード男子20キロ競歩優勝。19年世界選手権男子20キロ競歩優勝。自己ベストは20キロ競歩で1時間17分15秒。1メートル64、54キロ。

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2021年8月6日のニュース