卓球女子団体 中国の牙城崩せず銀 美誠「悔しさの方が強い」24年パリ五輪ではリベンジ必ず

[ 2021年8月6日 05:30 ]

東京五輪第14日 卓球女子団体戦決勝   日本0ー3中国 ( 2021年8月5日    東京体育館 )

<東京五輪・卓球>決勝で敗れた日本(撮影・小海途 良幹)
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 女子団体決勝で日本は3連覇中の中国にストレート負けし、銀メダルに終わった。12年ロンドン銀、16年リオデジャネイロ銅に続く3大会連続の表彰台。混合ダブルスの金とシングルスの銅に続き、今大会で全3色のメダルを獲得した伊藤美誠(20=スターツ)は、2戦目で孫穎莎(20)に1―3で敗戦。シングルス準決勝に続く黒星を喫し、24年パリ五輪でのリベンジを誓った。

 最強中国の壁は分厚かった。伊藤はシングルス準決勝で0―4で負けた孫穎莎に、再び敗れた。1ゲーム目は8―6から5連続失点、2ゲーム目は5―5から6連続失点で落とした。同じ00年生まれで、「小魔王」の異名を取る強敵にのみ込まれかけた。だが、反発する力もあった。

 鋭い回転のサーブで崩した。ラリーでも打ち返した。3ゲーム目は11―3。「少しでもペースでも自分のペースにできた。シングルスより楽しくできた」。意地は見せた。

 団体銅のリオ五輪の後、明らかに変わった。20歳の今、16歳の自分を「練習していない」と一蹴する。当時は2~5時間の練習で、サーブとレシーブが大半だった。理由は簡単。疲れないからだ。

 天才の名をほしいままにした卓球少女は、「そのチームの指導者に染まりたくない」という理由で、強豪中学へ進まなかった。独創性が磨かれた半面、好きな練習はするが、嫌いな練習はしない、ムラのある選手だった。

 17年全日本選手権の5回戦で敗れて気付いた。「私だけ基本ができていない」。基礎的な体の使い方を学び、体幹も鍛えた。練習は8時間が普通になった。球質が変わった。「力勝負ではないけど、強い球を何本も打てるようになった」。サーブで崩して少ない回数で得点を取るだけでなく、ラリーの点数が増えた。すると「みまパンチ」が減った。代名詞のフォアハンドの強打は、ラリーを嫌がって一打で終わらせるギャンブル的な技。必殺技の減少こそが成長の証だった。

 混合ダブルスの金、女子シングルス初の銅、団体で銀を獲得した。1大会で3色のメダルは、リオ五輪の競泳・萩野公介に続く快挙だ。「3種目メダルはうれしいけど悔しさの方が強い。勝って終わりたかった」。3人で1人だけ涙がなかった。次は3年後。このままでは終われない。

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2021年8月6日のニュース