内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第5回 UTのミスを減らし真っ直ぐ飛ばす方法

[ 2021年7月30日 12:00 ]

内藤雄士(右)と野田すみれ
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 今回のテーマはユーティリティーアイアン(UT)のミート率を高める方法です。野田すみれさんの悩みは左への引っかけですが、内藤雄士コーチによれば、アベレージゴルファーにも同じ傾向が見られると言います。なぜなら、UTはつかまりがいいので、左へのミスが出やすいクラブだからです。そこで今回は、左へのミスをなくし、真っ直ぐ飛ばす方法を伝授します。

 内藤 1W、FWの悩みを聞いたときは、左へ引っ掛けるミスが多いという話でしたが、UTでも同じですか?

 野田 自分ではUTの方が真っ直ぐ飛ぶという印象ですが、ミスしたときはやっぱり引っ掛けが多いですね。

 内藤 実はUTの方が、引っ掛ける確率が高いんですよ。というのも、1WやFWと比べるとシャフトが短く、ロフトが大きくなっていますよね?さらにボールがつかまりやすい構造のため、左へ曲がることが多いんです。1Wでプッシュアウトと引っ掛けが同じぐらい出る人でも、UTではプッシュアウトが少なく、引っ掛けの方が多く出る傾向があります。

 野田 なるほど。確かに私もUTで右へのミスはあまり出ませんね。

 内藤 野田さんの場合、持ち球がドローなので、左へ曲がりやすい傾向がありますからね。まずは、FWのときと同様に左肩を上げずに構え、ボールを上から見ましょうか。

 野田 クロスハンドで握ってから通常のグリップに戻すんですよね。

 内藤 正解です。左肩が上がるのを防げますからね。あと、もう一つ行ってほしいことがあります。UTをFWと同じイメージで構えると、トウ(クラブの先端側)が上がってしまうんですよ。トウが上がると、クラブフェースは目標の左を向きます。そのまま打つと、ボールを左サイドへ打ち出してしまうのです。それを防ぐために、上体を起こして両手の位置を少し上げて下さい。

 野田 えっ、むちゃくちゃ違和感がありますけど。

 内藤 おそらく野田さんの感覚では、両手の位置を相当上げていると思いますが、実際に見るとそれほどでもありません。あとは、スイング中に体の軸が左右に傾かないように気を付けながら、体の軸を中心に体を回してみましょう。

 野田 確かに、少しハンドアップにした方が体を簡単に回せる感覚はありますね。

 内藤 ハンドダウンに構えていると、インパクトで上体が起き上がるので、体を回しにくくなりますからね。しかし、最初からインパクトに近い形で構えておけば、前傾姿勢がそれほど変わらないので、体をスムーズに回せるんですよ。構えたときの違和感はあると思いますが、腕の力を抜いたり、膝を軽く曲げるなどして、微調整して下さい。

 野田 ハンドアップに構えることで、左に曲げる不安がなくなったのは間違いないですね。

 内藤 フェース面が目標を向いている分、曲がりにくいんですよ。曲がる心配がなければ、ボールを強く叩けると思います。その結果、ボールも上がるのでキャリーを稼げるようになります。アベレージゴルファーでUTに不安を抱えている人は、ぜひ手元の位置を少し高くしてみましょう。無理にスイングを変えなくてもミート率は確実に上がります。

 (取材協力=ハイランドセンター)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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