女子78キロ超級で金・素根輝 体格で上回る相手に「とにかく攻めた」とうれし泣き

[ 2021年7月30日 18:29 ]

素根は決勝でオルティズを下す(AP)
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 柔道女子78キロ超級代表の素根輝(21=日大)が、決勝でイダリス・オルティス(キューバ)を破り、金メダルを獲得した。同階級の日本勢では04年アテネ五輪の塚田真希以来となる頂点。五輪初出場で大仕事をやってのけた。今大会の柔道ニッポンは9個目、女子に限れば4個目の金メダルとなった。

 決勝は忍耐力の戦いだった。両者ともに決め手を欠くまま、ゴールデンスコア方式の延長戦に。着々と体力が奪われていく中で、素根は体格で大きく上回る相手に技を出し続けた。そして迎えた8分52秒、オルティスが3つ目の指導を受けて反則負け。前回のリオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した31歳のベテランを退けて、金メダル獲得となった。

 素根は「コロナ禍の中でオリンピックが開催されて、感謝の気持ちでいっぱいです」と第一声で感謝の思いを口にした。試合について、「とにかく先に攻めようと思って、絶対に負けない気持ちで攻めました」と回顧。「この大会のために練習を頑張ってきたので、それがこの大会で出せて良かったです。本当に頑張ってきて良かったと思います」とうれし涙を流した。

 25日には同じ00年7月生まれの阿部詩が女子52キロ級で金メダルを獲得。昔からライバルとして、また仲間として「一緒にオリンピックに出よう」と刺激しあってきた同級生と同じ色のメダルを手にした。2人ともに今回が五輪初出場。3年後のパリに向けて、黄金世代で日本の女子柔道を引っ張っていく。


 ◆素根 輝(そね・あきら)2000年(平12)7月9日生まれ、福岡県久留米市出身。7歳から柔道を始める。田主丸中、南筑と進み、環太平洋大に進学も自主退学し、今年4月から日大に進学。活動拠点はパーク24。主な戦績は19年世界選手権、グランドスラム大阪(ともに78キロ超級)で金など。得意技は大内刈り、体落とし。1メートル63、110キロ。

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