浜田尚里 初出場でオール一本で金 日本柔道史上最年長30歳で栄冠「まだ、強くなれる」
東京五輪第7日 柔道女子78キロ級決勝 ( 2021年7月29日 日本武道館 )
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ニュータイプの五輪チャンピオン2人が誕生した。女子78キロ級の浜田尚里(しょうり、30=自衛隊)が日本柔道史上最年長で金メダルを獲得。男子100キロ級のウルフ・アロン(25=了徳寺大職)も、決勝で趙(チョ)グハム(韓国)を破り金メダルを獲得。同階級では00年シドニー五輪の井上康生(現男子日本代表監督)以来の頂点に立つとともに、史上8人目の柔道3冠を達成した。これで今大会の柔道ニッポンの金メダルは計8個となり、04年アテネ五輪に並ぶ最多タイとなった。
豪快に投げるだけが柔道じゃない。若くして頂点に立つだけがヒロインでもない。1年の延期で三十路で初五輪を迎えた浜田が、今大会の日本勢で初めて、オール一本勝ちで戴冠。それも4試合全てが得意の寝技。畳を下りるまではニコリともしなかったが、担当の塚田真希コーチと握手し笑顔に。フラッシュインタビュー中には、積年の思いが詰まった涙が頬を伝った。
「絶対に金メダルを獲る気持ちでやってきたので、優勝できて良かった。得意の寝技で決められて良かった。狙っていた」
決勝相手のマロンガには、同じ日本武道館で開催された19年世界選手権の決勝で完敗。ポイントリードを許した焦りから、不用意に大外刈りにいって返されてから2年。この日は相手の担ぎ技で両者つぶれたところを逃さず、うつぶせの相手を返して、がっちりと押さえ込み。「決められると思っていなかった」としたが、わずか1分9秒で勝負を決めた。
16年のリオデジャネイロ五輪後、国際柔道連盟(IJF)はルールを改正。それまでは「待て」がかかる場面でも、寝技をより長く見てもらえるようになり、グランドスラム(GS)レベルの国際大会で優勝経験がなかった浜田も「プラスになった」と時流に乗った。17年には出場した国際大会4大会、全15試合を寝技で一本勝ちの快記録。28歳の誕生日に初出場した18年世界選手権でもオール一本で初優勝を果たし、世界から恐れられる“女寝技師”となった。
実は身体能力もずばぬけており、50メートル走は鹿児島南高在学時の手動測定ながら6秒7を記録。膝下筋力の測定でも、大学の男性陸上部員並みの記録を出したほどの下半身を誇る。ソビエト連邦で開発された軍隊格闘技でもある「サンボ」でも14年に世界選手権を制覇。その力は寝技に持ち込む際、相手に絡まれた足を抜く力にもつながり。この日の4試合で遺憾なく発揮した。
女子48キロ級で一時代を築いた谷亮子が、33歳で迎えた5度目の北京五輪で銅メダルを獲得した例はあるが、柔道日本女子で30歳で五輪初出場が最年長なら、30歳307日での金メダルは08年北京の内柴正人(30歳54日)を上回り、男女通じての最年長記録。増地克之監督も「体力的には大変だが、それを上回る技術と精神力を持っている」と舌を巻いた。
「まだ全然、技術は良くなるので強くなれると思う」。戦いを終え、普段の優しい目になった浜田の視界には、24年パリ、28年ロサンゼルスも入っている。
【浜田 尚里(はまだ・しょうり)】☆生まれと競技歴 1990年(平2)9月25日生まれ、鹿児島県出身の30歳。10歳の時に国分西クラブで開始。鹿児島南高―山梨学院大を経て、13年4月に自衛隊に入隊(現在は1等陸尉)。
☆主な実績 15年のグランプリ青島でワールドツアー初優勝を果たし、17年グランドスラム東京大会優勝。世界選手権は18年に優勝、19年は準優勝。柔道と並行して行っていたサンボでは、13年のユニバーシアード、14年世界選手権で優勝(いずれも80キロ級)。
☆得意技 各種寝技で、特に関節技が得意。一方で「立ち技で投げたい」との意欲も。
☆名前の由来 本人いわく「しょうり」の読みにはあまり意味がないそう。書道をしている母が左右対称の漢字を組み合わせて決めた。
☆趣味 旅行。コロナ禍前は、年に一度は富士山に登り、日の出で心を洗っていた。コーヒーが好きで、山梨学院大時代には柔道部仲間とカフェ巡りをすることも。
≪アテネも「16」≫日本が今大会獲得した金メダルは大会前半の第7日までで早くも15個となり、72年ミュンヘン大会の13個を抜いて歴代単独3位に浮上。64年東京大会、04年アテネ大会で記録した過去最多の16個にあと1と王手をかけた。
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