萩野公介 “神様がくれた”6位! 笑顔満開のレース「昨日で涙は枯れたのかもしれないです」

[ 2021年7月30日 12:22 ]

東京五輪第8日 競泳男子200メートル個人メドレー決勝 ( 2021年7月30日    東京アクアティクスセンター )

<東京五輪・競泳>男子200メートル個人メドレー決勝、レースを終え健闘を称え合う瀬戸大也(左)と萩野公介(撮影・小海途 良幹)
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 男子200メートル個人メドレー決勝で、萩野公介(26=ブリヂストン)は1分57秒49の6位に終わった。メダルを獲得できず、1位とは2秒49差。それでも瀬戸と同様に、レース後は笑顔、笑顔で振り返った。

 「泳ぐ前から、本当に色んなことを思い出して、(瀬戸)大也と一緒にレースを泳ぐのも“2桁”でおさまっているのかも分からないぐらいですけど、最後、東京五輪の舞台で泳ぐことができたので、うれしかったです」

 やはり、盟友の存在が萩野に力を与えた。29日の準決勝を1分57秒47の全体6位で通過すると号泣した。「決勝で一緒に泳げるなんて神様がくれた贈り物としか考えられない。最高のギフト」。盟友の瀬戸と最後はともに泳ぐことができる。込み上げてきたのは、タイムを競い合い、お互いに成長したかつての日々。万感の思いだった。

 「大也と東京五輪の舞台で泳げたのでうれしかった。(笑顔だったことに)もう、昨日で涙は枯れちゃったのかもしれないです。タイムは遅いかもしれないが、全力は出し切れたので、今の僕に悔いはないです」

 800メートルリレーは低調なタイムで予選敗退。心身ともに負担の大きい400メートル個人メドレーを諦め、個人種目は一本に絞った。16年リオ五輪個人メドレーの400メートルで金、200メートルで銀を獲得した王者とは思えないほど苦しんだ。それでも「僕自身も色々ありましたし、難しい時間を過ごしてきた中で、この8人に入れて、また争うことができて競技者としてこれ以上の幸せはないです」と、充実感を見せた。

 今大会最後のレースで、萩野に輝きが戻った。

 【リオ五輪後の萩野公介の苦闘】
 ▼16年8月 リオデジャネイロ五輪の400メートル個人メドレーで金、200メートル個人メドレーで銀、800メートルリレー銅メダルを獲得。
 ▼同9月 15年6月に骨折していた右肘の手術を受ける。
 ▼17年1月 東洋大卒業を前に、ブリヂストンと22年3月まで5年契約を結ぶ。
 ▼17年7月 世界選手権ブダペスト大会に出場。個人メドレーは200メートルで銀、400メートルは6位に沈む。
 ▼18年8月 パンパシフィック選手権で個人メドレーは200メートルで銅、400メートルで銀。連戦となったジャカルタ・アジア大会は個人3種目で銀2、銅1と金メダルなし。
 ▼19年2月 コナミオープン400メートル個人メドレー予選で自己ベストより17秒以上も遅いタイムに沈み決勝を棄権。大会後に予定していたスペイン高地合宿を回避。
 ▼同3月 日本選手権欠場を発表。モチベーション低下などを理由に休養期間に入る。
 ▼同8月 W杯東京大会で半年ぶりのレース復帰。
 ▼同9月 シンガー・ソングライターmiwaとの結婚を発表。
 ▼20年1月 北島杯の200メートル自由形決勝で最下位に終わる。大会直前に体調を崩しており、400メートル個人メドレーを欠場。
 ▼21年4月 日本選手権の200メートル個人メドレーで2位になり、五輪代表に内定。心身ともに負担の大きい400メートル個人メドレーにはエントリーしなかった。

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