カザフスタンの「お姫様」が予選落ちにも神対応「日本の政府、国民に感謝」

[ 2021年7月30日 21:18 ]

東京五輪第8日 陸上 ( 2021年7月30日    国立競技場 )

陸上三段跳び予選に登場したルイバコワ(ロイター)

 23日の開会式でドレスのような民族衣装をまとって行進し、「お姫様」、「妖精」と話題になったカザフスタンのオリガ・ルイパコワ(36)が女子三段跳び予選に出場し、13メートル69(追い風0・3メートル)で予選落ちをした。

 08年北京で銀、12年ロンドンで金、16年リオデジャネイロで銅を獲得。“メダルコンプリート”を果たした実力者は「何が起こったのか分からない。コンディションは良かったけど、不運にも望むような結果にならなかった」とクビをひねった。

 不本意な結果ながら、取材エリアでは、第一人者らしい見事な振る舞い。日本メディアに足を止めて応対をした後、地元カザフスタンのメディアに10分以上も丁寧に、笑顔を見せながら答えた。最後に、英語メディアにも5分以上時間をかけた。お姫様の神対応が光った。

 入場行進が話題になっていることを、本人も自覚。「ファンが喜んでくれてうれしい」と語りつつも、この日は「今日の試合に集中ためにそれは横に置いておいた」と、大舞台に臨んだ。一方で、コロナ禍での大会開催について「日本の政府、日本の国民の皆様に感謝をしたい。この困難な状況の中、五輪が行われていることがうれしい」と、お礼を口にした。

 子どもを産んでから成績が伸びたママさんアスリート。17歳を迎える長女アナスターシアさんも陸上選手で、まだ種目は確定していないものの、跳躍やスプリント種目で活躍をしているという。24年パリ五輪の母子出場への意欲を聞かれると、「今はまだ決まっていない。引退もありえる」と36歳の偽らざる心境を口にした。しかし、例え第一線から退いたとしても「スポーツの何かに関わりたい。スポーツでカザフスタンに寄与したい」と次の目標も口にした。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月30日のニュース