バド混合渡辺、東野組 絆の銅メダル!震災10年の節目で日本勢初の快挙

[ 2021年7月30日 12:47 ]

東京五輪第8日 バドミントン混合ダブルス3位決定戦 ( 2021年7月30日    武蔵野の森総合スポーツプラザ )

<混合ダブルス3位決定戦>銅メダルを獲得し笑顔でVサインの東野(左)と渡辺(撮影・会津 智海)
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 バドミントン・混合ダブルスの3位決定戦が行われ、世界ランキング5位の渡辺勇大(24)、東野有紗(24)組(日本ユニシス)が、香港の鄧俊文(26)、謝影雪(29)組を下し、銅メダルを獲得した。

 11年3月11日、福島・富岡一中に在学していた2人は富岡高の体育館で練習中に被災。東野は2年、渡辺は1年だった。天井から電灯が落ちてくる中、外に逃げた。「死を覚悟した」と渡辺。福島第1原発の制限区域となった同中高の生徒たちは2カ月ほど全国各地に避難し、渡辺は東京、東野は北海道の実家に戻った。原発事故の影響で、同中高は2カ月後の5月から拠点変更で福島・猪苗代町に移り、2人も迷いながらバドミントンがやりたい一心で福島に戻ってきた。

 混合ダブルスは中高生では正式種目ではないが、翌12年のインドネシアの大会に出場するため本格的にペアを結成した。「勇大くん」「東野先輩」と呼び合う当時の関係性は変わらないが、メキメキと成長。日本ユニシスに入社した東野が後輩の渡辺を誘う形で、社会人となってもともに戦うことになった。18年全英オープンで同種目初の優勝。19年世界選手権で同じく初の表彰台となる3位に入るなど躍進。東野は「福島県の皆さんとかお世話になった方々に恩返しができるように」と常々語る。結成10年目の絆のダブルスは、震災10年で迎えた復興五輪で見事に輝きを放った。

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