工藤阿須加 “へそ物”演じる「筋を通すことが本当に人を幸せにするのか、考えさせられるドラマ」

[ 2022年3月12日 08:30 ]

BS-TBS時代劇「池波正太郎原作 武士とその妻」に出演する工藤阿須加(右)と志田未来
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 俳優の工藤阿須加(30)が主演を務めるBS―TBS時代劇「池波正太郎原作 武士とその妻」が12日午後7時から放送される。池波正太郎の短編小説「へそ五郎騒動」が原作で、武士の誇りと夫婦の絆を描いた人情時代劇。工藤が演じるのは、武家の次男として生まれたことで“へそ物”(家督も継ぐことのない役立たずものを称した呼び名)扱いされている平野小五郎。妻役は女優志田未来(28)。

 小五郎の葛藤する心情が描かれ、人の喜怒哀楽全てが織り込まれている作品。工藤は「一概にきれいに進まず、心が良い意味でかき乱される。筋を通すということが本当に人を幸せにするのか、考えさせられるドラマ」とポイントをアピールした。「最後まで見てくださった方は、僕の予想では、一回一呼吸つくんじゃないかな、と思います」と視聴者に最後まで見逃さないように呼びかけた。

 時代劇の主演は今回が初めて。京都の撮影所も初体験で心配もあったという工藤だが不安はすぐに消え去った。「知識や技術を極めた最高のプロフェッショナルたちが集まった現場というのを肌に感じて、良い作品になるとすぐに確信に変わった」と2~3週間に及んだ撮影現場の充実ぶりを振り返った。

 時代劇での主役としては「どの役割のどの作品でも熱量は変わらないつもりでいるが、どこか引っ張っていく意識があった」と責任感を常に抱いていたことを口にした。制作陣も「目がすごかった。まさに時代劇の目だった」と話し、ハマり役だったことを明かした。

 工藤は志田と今回が初共演。「声から伝わってくる思い、醸し出す雰囲気が素晴らしかった。イメージ通りの女優さんでした」。夫を愛しているが、悲しさもある役どころで「その芝居を細かく表現されていた」と感心し「志田さん(妻)のおかげで小五郎も最後まで生き抜けたんじゃないか」と小五郎の立場としても支えられていたことを口にした。

 所作などの難しさはあるというが「1人の人間の生き様が大変勉強になる。日本人だからこそ、日本の過去を大事にしていきたい」と時代劇への熱い思いも抱いている。

 撮影終了後も「次の撮影いつですか?」と制作陣に尋ねたほどの熱量。「今後も時代劇のオファーを頂ければ、常に挑んでいきたい」と意欲を示した。

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