京大大学院教授 最大の不安は核が本当に使われるかどうか「先例があるからということになるかも」

[ 2022年3月12日 12:37 ]

 京大大学院の藤井聡教授(53)が12日、ABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜前9・30)に生出演。ロシアのウクライナ侵攻について語った。

 番組では、ロシアによるウクライナの原発への攻撃を取り上げた。ロシアは4日にザポリージャ原発を砲撃、さらに9日にはチェルノブイリ原発の電力を遮断。チェルノブイリ原発では使用済み核燃料が冷却できなくなり、一時は放射性物質が漏れる恐れもあったが、ベラルーシから電力の供給を受けて復旧した。

 軍事ジャーナリストで笹川平和財団の小原凡司氏は「爆弾を落とすだけではなくて、今回も電力が遮断されただけで、周りは放射能漏れを恐れるわけです。ですから、放射能漏れを起こすぞという威嚇に使えるわけです」と解説。「NATOに対して“これ以上、ウクライナを支援したら核戦争に発展するぞ”ということを明確に威嚇してます」と指摘した。

 また、藤井教授は最大の不安として、「核が本当に使われるかどうか」を挙げた。「核はこれまで見せるためのもの、抑止のためのものであって、こんなことやったら合理的に考えたらお互いに死ぬので、ギリギリの薄氷の上に成り立ってる国際関係だったわけですよ」と説明。その上で、「ところが、1回本当に使っちゃうということをやってしまうと、歴史が根本的に変わるんですよ。本当に使うんだということになって、歴史的にも先例があるから使うということになるかもしれない」と危惧した。

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2022年3月12日のニュース