ウクライナ出身の政治学者グレンコ氏 ロシアは「せめて武装解除まで追い込むという狙いなので」

[ 2022年3月2日 12:05 ]

フジテレビ社屋
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 ウクライナ出身の政治学者、グレンコ・アンドリー氏が2日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。ロシア軍のウクライナへの攻撃について言及した。

 ロシア軍は1日、ウクライナの首都キエフのテレビ塔を攻撃し、ロイター通信によると、キエフのクリチコ市長は、2発のミサイルが撃ち込まれ、通行人ら5人が死亡したと説明。市民に外出を控えるよう呼び掛けた。第2の都市、東部ハリコフでも州庁舎などをミサイルで破壊した。大都市で非軍事施設も標的にすることで抗戦するウクライナ側への圧力を強め、停戦交渉を有利に進める狙いとみられる。

 MCの谷原章介が停戦協議について「例えば部分的な主権の放棄と言いますか、クリミア半島、ドネツク、ルガンスク州、そこらへんというのはあり得るんですかねえ」と聞くと、アンドリー氏は「例えばクリミアについては言わないで、ドネツク東部2州について認めないけど事実上なにもしない、代わりにロシアが一番に狙っている非軍事化は認めない。あとは例えばNATO加盟については10年先にするとか、そういった妥協点ならちょっと苦しいけど、あり得るはあり得るんだけれども、これでもロシアはたぶん今の時点で拒否すると思う」と自身の見解を述べた。

 そして、「(ロシアは)たぶんNATOは延期じゃなくて完全にやめなさいと言い、武装解除を求めると思います。つまりロシアはウクライナの自国を防衛する手段が残るような停戦は認めないと思います。なぜなら今回、全面侵攻があったわけですから、もし仮にここでNATOには入りません、だけれども武装解除というところでいったん妥協しようとなった時に、その平和の時間になった瞬間、ウクライナは大幅な軍事増強を始めます」と指摘し、「そうなった時にロシアにとって最終的にウクライナを支配したいわけですから、もし今、この侵攻した後の状態で1度休戦になってしまうと、ウクライナが間違いなく西欧からの支援は今までと全然規模の違うものになるので大幅に強くなる。そうするとロシアから見ると、例えば2年先、5年先にウクライナを支配にいく時に、さらに多くの抵抗があって、さらに支配が難しくなる。だからロシアの狙いとしては今回は屈服させる、せめて武装解除まで追い込むという狙いなので、今週とかは簡単に合意にはたどりつかないと思います」と自身の見方を話した。

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2022年3月2日のニュース