朝ドラ「エール」 日本の音楽史を学び直す楽しみ

[ 2020年5月22日 11:00 ]

NHK連続テレビ小説「エール」で藤丸を演じる井上希美(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「エール」は日本の音楽の歴史を学び直す観点からも楽しい。

 18日の放送で、こんな場面があった。主人公の古山裕一(窪田正孝)がレコード会社のスタジオに入ると、音楽が流れている。♪丘を越えて 行こうよ 小春の空は 麗(うら)らかに 澄みて…。歌手の山藤太郎(柿澤勇人)がギターやマンドリンなどの伴奏でレコーディングしていた。

 歌っていた曲は、戦前から戦後にかけて大活躍した歌手・藤山一郎さんの「丘を越えて」(1931年)。この歌を作曲したのは、美空ひばりさんの大ヒット曲「悲しい酒」(1966年)などで知られる作曲家・古賀政男さん。藤山さんも古賀さんも国民栄誉賞受賞者だ。

 藤山さんは戦後、映画「青い山脈」の主題歌(1949年、服部良一さん作曲)がヒット。同じ年に、「エール」の主人公のモデル・古関裕而さんが作曲し、藤山さんが歌った「長崎の鐘」が発売された。藤山さんは1951年の「第1回NHK紅白歌合戦」の大トリで、「長崎の鐘」を披露しているが、ドラマの中で、その場面が描かれるのどうか注目される。

 今後の放送で楽しみなのが、芸者として歌手デビューする藤丸(井上希美)だ。モデルは大正、昭和に活躍した歌手・音丸さん。古関さんが作曲した「船頭可愛や」(1935年)を歌っており、ドラマにもその歌唱シーンがあるとみられる。

 この機会に初めて音丸さんの「船頭可愛や」を聞いてみたが、ゆったりとしていて、のどかな気分になる楽曲。♪夢もぬれましょ 潮風夜風 船頭可愛や エー 船頭可愛や…という歌詞が古き良き時代を感じさせる。「エール」がなければ、この歌を知ることはなかった。

 古関さん作曲の「モスラの歌」はあらためて聞いてみたい曲だ。特撮映画「モスラ」(1961年)の劇中歌で、昭和の人気デュオのザ・ピーナッツが、インドネシア語で、♪モスラヤ モスラ ドゥンガン カサクヤン インデゥムウ…と歌う。ドラマに登場するかどうかは現時点で全く不明だが、もしも実現すれば、双子のザ・ピーナッツの役も含め話題になるだろう。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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