新型コロナを利用した司法取引? 米女優が禁固2カ月に合意も“監獄”は自宅

[ 2020年5月22日 10:41 ]

ボストンの裁判所に出廷したロックリン被告(右)と夫のジャヌリ被告(AP)
Photo By AP

 昨年3月、2人の娘を大学へ「裏口入学」させるために50万ドル(約4000万円)を支払ったとして逮捕されていた女優のロリ・ロックリン(55)と、その夫でファッションデザイナーでもあるモッシモ・ジャヌリ(56)の両被告が検察当局との司法取引に合意。AP通信が報じているもので、ロックリン被告は禁固2カ月、ジャヌリ被告は禁固5カ月の実刑を受け入れた。これを受けて検察側は資金洗浄と銀行詐欺については罪を問わないことになった。

 ロックリンとジャヌリ夫妻は2人の娘を、南カリフォルニア大ボート部のリクルート枠に競技歴がないにもかかわらず金銭を支払って滑り込ませた疑いで逮捕され、保釈はされたもののボストンの連邦裁判所で審理を受けることになっていた。

 ただし米国の各刑務所では新型コロナウイルスの集団感染が問題となっており、軽犯罪での服役囚に関しては早期釈放、もしくは自宅を代用監獄にする方策がとられているところ。ブラドリー・サイモン検察官は「2人の弁護士はこれを想定しているのかもしれない。クレバーな取引だ」と、これまで「証拠は捏造されたもの」として一貫して無罪を主張していた同夫妻が突然、方針を変更した背景に言及していた。

 なおこの不正入学で逮捕されたのは50人。司法取引の結果、ロックリン被告には罰金15万ドル(約1600万円)と100時間の公共奉仕、ジャヌリ被告には罰金25万ドル(約2700万円)と250時間の公共奉仕も科せられた。

 ロックリン被告はABCテレビの人気コメディー「フルハウス」に1988年から95年まで出演。1986年に銀行員と結婚したが96年に離婚し、97年にジャヌリ被告と再婚した。

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2020年5月22日のニュース