セ投手“3冠”だ 阪神・青柳 志願の続投8回無失点で8勝目 矢野監督「むちゃくちゃ頼もしい」

[ 2021年7月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5ー1ヤクルト ( 2021年7月6日    神宮 )

<ヤ・神>5回、好守の糸原に向かって笑顔を見せる青柳(撮影・北條 貴史)
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 三塁側スタンドからの拍手が、信頼の証だ。8回2死満塁で巡ってきた打席に阪神・青柳は駆け足で向かった。その時点で7回無失点、球数は109球。降板でもおかしくなかったが“まだ青柳を見たい”の声が、その背に注がれているようだった。

 「カード頭を任せてもらっていますし、長いイニングはずっと意識している。内容的には(守備陣に)助けられた感じは多かったんですけど、8回までいけたのは大きかった」

 自覚を胸に向かった8回は11球で3者凡退に封じ、120球の熱投を締めくくった。2週連続のヤクルトとの対戦で舞台は神宮球場に変わっていた。「(甲子園の)前回はフライアウト、三振が多かったけど、打たせて取るのを意識して」

 狭い球場の特性を頭に入れ、本来のゴロ凡打を量産するスタイルで、連打を一度も許さず。2回は30球を要する苦しいスタートも、立て直して8回まで快投。矢野監督も「完璧。点を取った後も抑えて、流れが来るような(投球)。むちゃくちゃ頼もしい。(8回続投は)あいつが行くって言うから」と称えた。これでヤクルト戦は昨年9月11日から5連勝となった。

 昨年から続くコロナ下のシーズンで無観客試合も経験。歓声、拍手から得る力をあらためて実感したという。「応援がないというのはやっぱり寂しいですよね。僕は緊張してマウンドにいって、1つアウトを取って、スタンドが沸いて“いくぞ”となる。(応援は)マウンドで投げる上ですごく重要です」。だからこそ、8回の打席でもらった力は小さくなかったはずだ。

 「次もしっかり勝てるように、チームに貢献できるように頑張りたいと思います」

 9連戦の先陣を託され、次回は中5日で再びカード初戦となる12日のDeNA戦へ向かう。リーグトップタイ8勝目を挙げ、これで防御率、勝率も加えて“3冠”。「大黒柱」と呼ぶことに誰も驚かない。青柳が先頭に立つ夏になる。(遠藤 礼)


 <記者フリートーク 阪神担当・遠藤 礼>

 “勝負スイーツ”になったのかもしれない。4日、青柳は先月オープンしたばかりの果物屋が営むフルーツタルト専門店で、イチゴとパイナップルのタルトを購入。自身のインスタグラムに「めちゃくちゃおいしかったです」と投稿していた。

 実は数日前に記者が同じ店舗を訪れタルトの写真をツイッターに投稿していたのを見て、足を運んでくれたという。インスタグラムのアカウントはフォロワー3万人を誇り、更新頻度は高くないものの、読了した書籍の紹介など、ファンにとっては素顔も知れる貴重な交流の場。今回は“スイーツ男子”の一面を見せたように、背番号50の意外な一面はまだまだありそうだ。

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