広島・大瀬良 復調の兆し「これまでに比べ、いい真っすぐ」先発7戦未勝利も最速149キロ直球に手応え

[ 2021年7月7日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2ー4DeNA ( 2021年7月6日    マツダ )

<広・D>先発の大瀬良(撮影・奥 調)
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 広島・大瀬良大地投手(30)が復調の兆しを見せた。6日のDeNA戦で7回を3安打2失点の好投。自己ワーストを更新する先発7戦未勝利に終わったものの、最速149キロの直球は力が、変化球には切れが戻っていた。試合は同点の8回に救援したフランスアが佐野に決勝2ランを被弾し、2―4で逆転負けを喫した。

 勝利が遠い大瀬良には、何とももったいない1球だった。2―0の4回、2死から佐野にこの日の初被安打となる中前打を許し、オースティンを2球で追い込んだ後の3球目。143キロ外角直球は中途半端な高さに入り、本拠地のバックスクリーン右へ運ばれた。

 「映像を見ると思ったよりも手が伸びる所だった。ボール球でよかったと思います…」

 痛恨の同点2ラン。この1球以外は、しかし、復調の兆しが感じ取れた。近況目立っていた抜け球はなく、最速149キロの真っすぐは威力十分。カーブを制球よく操った上に、カットボールなどの変化球にも切れが戻り、7回のうち4イニングを打者3人で料理した。

 「今日は攻める姿勢を持って投げていこうと思った。真っすぐで勝負できたので、カットボールに頼らずにいけた」

 2試合連続6失点KOされ、悲壮な決意で臨んだ一戦。上体が強すぎる悪癖を自認し、この1週間は下半身から連動させるフォーム修正に努めてきた。セットポジションでのグラブ位置も「タイミングがかみ合っていなかった」ため、ヘソから胸の高さに変えた。

 「クイックが遅くなるかなと思ったけど、今は力強さの方を(重視)…というチャレンジ。胸の前の方が制球も良かったので、やってみようと…」

 会沢が6月中旬に故障で抹消され、帽子のつばに「27」の数字を書き入れた。信頼する先輩であり、女房役。「力をもらい、アツさんが早く帰って来てくれることを願って」。自身も迷い込んだ不振のトンネル。懸命な努力は、明るい出口となって見えつつある。

 「これまでに比べると、いい真っすぐを投げられたと思うし、手応えはある。前半戦(登板)はあと1回あると思うので、よりいい内容を求めていきたいと思います」

 4月9日の巨人戦で2勝目を挙げて以来、白星が遠い。先発7戦未勝利となり、自己ワーストだった6戦未勝利(14年7~8月)を更新した。だが、底は脱した。中5日で臨むとみられる12日の中日戦。後半戦に巻き返すために勝利の美酒に酔いしれたい。(江尾 卓也)

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