ソフトバンク・千賀 悪夢の77球10失点「申し訳ない」、工藤監督も次回登板白紙示唆

[ 2021年7月7日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3ー11ロッテ ( 2021年7月6日    ZOZO )

<ロ・ソ>3回途中、10失点で降板した千賀(撮影・西川祐介)
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 悪夢の77球…。ソフトバンクの千賀滉大投手(28)が6日、ロッテ戦で復帰登板を果たしたが3回途中、自己ワーストの10失点を喫し降板した。左足首のじん帯を痛めた4月6日の日本ハム戦以来のマウンドで、まさかの大炎上。チームとしてはもちろんのこと、東京五輪の侍ジャパンでエース格としても期待される右腕に不安が募る一戦となった。チームは大敗し4位に後退。今季初のBクラスに転落した。

 幕張の夜空の下、唇の青い千賀は、ぼうぜん自失のまま小走りでベンチへと戻った。3回の12人目の打者、藤原に2死二、三塁で2点二塁打を浴び、自己ワーストの10失点で降板した。

 「結果として、チームが連勝していた中で、その雰囲気を壊してしまったこと、流れを止めてしまったことが悔しいし、情けない。本当に申し訳ない」

 4月6日の日本ハム戦で左足首じん帯を損傷し離脱。「3カ月ぶりにマウンドに上がることができたことに関し、僕に携わったすべての人に感謝したい」。91日ぶりの復帰戦に気持ちを込めたが、かつての“エース”の姿からは、ほど遠かった。

 初回の初球から、この日の最速158キロ直球を投げ込む。しかし、藤原に154キロの直球が真ん中に入り三塁打。中村にはスライダーを左前打されて15球で失点した。2回は3人で終えたが3回に悪夢を迎えた。

 先頭の田村に三塁打を浴びた後に、6長短打と2度の押し出しで1イニングでの自己ワーストに並ぶ9失点。甲斐も大きくため息を付き、降板を見送った。

 工藤監督はまさかの現実に、投手目線で乱調を分析した。

 「全部、真ん中でシュート回転して(直球が)高かったかな。上体が高いし(打つ)タイミングも合わせられていた。良くないものが結果として出た。まさか、こんな想像できないくらい。本人が一番ショックだと思う」。全77球のうちファウルされた投球も含め、34球がボール球。“お化け”と評される落差のあるフォークは見逃された。全9安打のうち6安打は直球。高く浮いたボールか、真ん中から内寄りだった。直球で打者が空振りしたのは2球だけ。先発での三振なしは、1回0/3でKOされた12年5月11日ロッテ戦以来の屈辱となった。

 指揮官は次回登板も白紙と判断した。「1週間で修正できればいいかなとは思うが、1週間で立ち上げるかどうか、投手コーチと話をしたほうがいい」。順当ならば13日の楽天戦だが、投球間隔を空ける可能性も示唆した。

 復帰戦の炎上で、チームは今季最多タイの11失点で大敗し、今季初めて4位に転落した。東京五輪でもエース格として期待された右腕の乱調。侍ジャパンにとっても大きな不安材料となった。20日の仙台合宿からの侍合流を前に、千賀が正念場を迎えた。(井上 満夫)

 【千賀の左足首負傷からの道のり】
 ▼4月6日 日本ハム戦で今季初先発し、5回2/3無失点で初勝利。6回に渡辺の強烈な投直を捕球したあとに、バランスを崩して左足をひねり、担架に乗せられて緊急降板した。同日夜の診断は「左足首の捻挫」。

 ▼9日 福岡県内の病院で再検査を受け「左足首のじん帯損傷」の診断。復帰まで2~3カ月。

 ▼6月12日 ファーム施設でシート打撃に登板。60球を投げて最速156キロ。

 ▼17日 火の国サラマンダーズとの3軍戦で実戦復帰。4回51球で3安打無失点、3奪三振。最速158キロ。

 ▼23日 ウエスタン・リーグの阪神戦で2回2/3、84球を投げて4安打2失点。最速158キロ。

 ▼29日 大分B―リングスとの3軍戦で5回1/3を4安打1失点(自責0)。最速156キロ。

 ▼7月5日 日本ハムの伊藤とともに侍ジャパンへの追加招集を発表され「重みを感じてマウンドに上がらないといけない」と意気込み。

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2021年7月7日のニュース