槙原寛己氏 大谷翔平は高め直球が効果的だった 捕手変更で組み立て一変

[ 2021年7月7日 21:04 ]

<エンゼルス・レッドソックス>今季10度目の投打同時出場したエンゼルス・大谷(AP)
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 日米通算50勝目を挙げたエンゼルス・大谷の投球を、本紙評論家の槙原寛己氏(57)が分析した。1回途中7失点降板の前回登板から、マックス・スタッシ捕手(30)との新コンビで一変。あえて使った高めの直球が有効だったと指摘した。

 投手の調子が悪いときに捕手を変えることはよくある。これまでコンビを組んだスズキからスタッシへ。それが大谷とって、ものの見事にはまった。

 前回6月30日は1回途中7失点降板。スライダーの制球に苦しみ、スプリットを投げる前に大量失点した。今回は組み立てがガラリと変わって、スタッシは初回から高めの直球を要求。高めのボールゾーンに構えていた。大谷は球威があるから高めがファウルになり、空振りも取れる。この高めが効果的で、大谷はかえって力みが抜けて楽に投げられた。

 ボールに指が掛かりだした4回くらいから低めにも制球できていたが、今のメジャーは低めも打たれる。高めを使いながら、110キロ前後のカーブも織り交ぜた。5回2死からサンタナに対し、追い込んでからスタッシのサインに首を振ってカーブで左飛。抜ける確率の低い外角へのカットボールも有効で、高低も緩急も使う。大谷の真骨頂だろう。

 目についたのは、追い込んでからストライクゾーンでどんどん勝負していたこと。これなら球数も少なくできて、長いイニングを投げられる。7回89球で2失点。打席でも初回に自らの二塁打で同点とし、スタッシが2ランで勝ち越した。打撃と投球の相乗効果は明らかで、2回以降の投球に表れていた。

 スタッシとの新らたなコンビは後半戦へ楽しみを増大させる。その前に、オールスターでどんなプレー見せてくれるのか。1イニングなら直球とカットボール、スプリットで十分抑えられるし、ホームランダービーは優勝も狙える。ワクワクしながら楽しみたい。

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2021年7月7日のニュース