日本ハム 天国の大島康徳さんにささぐサヨナラ勝ち!「平良のゼロ」止めた高浜打

[ 2021年7月7日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―3西武 ( 2021年7月6日    旭川 )

<日・西>9回2死一塁、サヨナラ二塁打を放ち笑顔を見せる高浜(撮影・高橋 茂夫)
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 喪章をつけた肩を揺らして背番号91が走る。平良のカットボールを捉えた日本ハム・高浜の一撃は中堅手の頭を越え、フェンスに当たった。橫浜高の同級生で一塁走者の浅間が生還。霧雨交じる旭川でプロ初のサヨナラ打を放ったヒーローは興奮状態のまま「最高です」と心境を語った。

 3―3の9回2死一塁。相手は39試合連続無失点の「無双記録」を続けていた平良だ。ただ、高浜には初対戦という“知らない強み”があった。「いずれ記録は止まる。自分が止めてやると強い気持ちでいった」。思いのままバットを振った。

 6月30日に球団OBで元監督である大島康徳さんが大腸がんで死去(享年70)。5日に訃報が届き、最初に迎えた試合だった。大島監督時代だった00年からの3年間は東京ドームが本拠で3位、6位、5位。2年目からは優勝争いに絡めなかったが、将来を見据え種をまいた。00年が高卒2年目だった森本稀哲に3年間で230打席、自らドラフト2位のクジを引き当てた00年入団の田中賢介(現スペシャルアドバイザー=SA)には3年間で298打席を与えた。2人は06年に初めて規定打席に到達し、同年の日本一と翌07年のリーグ連覇に貢献した。

 北海道移転の成功に貢献した先人に弔い星を届けたが、チーム状況は苦しい。5位・西武にも5ゲーム差の最下位。2軍調整中の中田ら主力が不振の中、高浜らがチャンスに食らいつく。「ファイターズをつくってくださった先輩方は、こんな試合を望んでいる。一試合でも多くできるように」と栗山監督。笑顔が似合う大島さんが天国で喜ぶ戦いを重ねるしかない。(和田 裕司)

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2021年7月7日のニュース