履正社 ノーシードから「連覇」へ挑戦 挑めなかった“履正社史上最強”世代の思いも胸に

[ 2021年6月29日 05:30 ]

夏の甲子園連覇を誓う履正社・松林(左)と渡辺
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 第103回全国高校野球選手権大会(8月9日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は南北北海道大会でスタートを切った。2年ぶりに夏の甲子園大会へとつながる戦い。新型コロナウイルス感染拡大の影響で独自大会となった昨夏に優勝を飾るなど、負けることなく「特別な夏」を終えた各校の「2年分の夏」にかける思いに迫った。

 夏の甲子園大会連覇への挑戦は、先輩たちに挑む「特別な夏」でもある。19年夏の甲子園大会における履正社初優勝をスタンドから見つめた現在の3年生にとっても最後の夏。昨秋は大阪大会準決勝で宿敵の大阪桐蔭に3―8で敗れ、続く3位決定戦でも公立の山田にまさかの敗戦。今春も4回戦敗退でシード権を逃しており、厳しい戦いが予想される。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年の甲子園大会は春夏ともに中止。ドラフトで3人指名されるなど“履正社史上最強”とも言われた1学年上の世代は「連覇」に挑むことさえできなかった。それでも、独自大会では打ち切りとなった準決勝で大阪桐蔭を9―3で圧倒。19年夏の甲子園決勝再現となった甲子園交流試合でも星稜に大勝し、その強さを証明した。

 今年のチームは独自大会ではメンバー入りできなかった2人が引っ張る。エース左腕の渡辺純太は今春の大阪大会2試合、計11回1/3を投げ自責点0。甲子園優勝投手で昨年の主戦だった岩崎峻典(現東洋大)から今月中旬に「エースとしての自覚を持て」と叱咤(しった)激励された。小深田大地(現DeNA)の後の三塁を守る主将で4番の松林克真は春季大会1回戦の大阪園芸戦で公式戦初本塁打を放つなど確実に成長。ただ、物足りないことは分かっており、最後の最後までもがき続ける覚悟だ。

 岡田龍生監督は「全国優勝した以上、それ以下の目標設定はできない」ときっぱり。渡辺が「先輩たちが築かれてきたものに負けたくない」と奮い立てば、松林も「先輩たちの分まで甲子園で躍動できたら。最後まで(夏は)負けなしで終わりたい」。見据えるのはもちろん全国の頂点だ。(北野 将市)

 【大阪展望】松浦、関戸、池田らタレントぞろいの大阪桐蔭の実力が抜けている。追うのは東海大大阪仰星、近大付、関大北陽などの強豪。履正社も反攻に燃える。大阪・長友、東大阪大柏原・野村ら投手の好素材にも注目。

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2021年6月29日のニュース